乳牛ってどんな動物?

人間と同じでミルクが出せるのは赤ちゃんを産んだ母牛だけです。足から肩までの高さは約150㎝、体重は約650㎏と、とっても大きな体をしていますが、音やにおいに敏感(びんかん)で繊細(せんさい)な生き物です。
生まれたての赤ちゃんの体重は約40㎏。メスは酪農家さんに乳牛として、オスはお肉用の牛として肥育(ひいく)農家さんに育てられます。
乳牛の体
牛の目は顔の横についているので、視野が広く首を動かさなくても、真後ろと鼻先以外は見渡すことができます。牛は白黒の世界しか見えないといわれていましたが、最近の研究で色を見分けることができることが分かってきました。
牛は耳がとても良い動物で、200~300m先の音も聞こえるといわれています。そのため音にはとても敏感(びんかん)で、大きな音やがすると驚いて怖がります。元気がないときは耳が垂れて冷たくなるため、健康管理の指標にもなります。
牛はとても鼻の良い動物で、犬の嗅覚(きゅうかく)を上回るといわれています。乳牛の鼻には人間の指紋(しもん)と同じような “しわ”がついて、これを「鼻紋(びもん)」といいます。一頭ごとに異なり、しわ模様は一生変わることはありません。
乳牛は上の前歯がありません。その代わり上歯ぐきがとても硬く丈夫にできています。草を食べるときは長い舌で草をちぎり取り、上歯ぐきを”まな板”、下前歯を”包丁”のようにしてかみ切り、奥歯ですりつぶしてから飲み込みます。
乳牛の種類

乳牛のライフサイクル

とある酪農家の一日

色々な牛の飼い方
①つなぎ飼い方式
日本で一番多い飼い方で、それぞれの牛に決まった休息場所があります。さく乳のときは酪農家がミルクをしぼる機械を持って牛のところに移動し、一頭ずつミルクをしぼります。牛が食べる飼料も酪農家が一頭一頭の牛の前に運びます。
すべての牛に酪農家の目が行き届くので、個体管理がしやすく、牛を健康に飼いやすい飼い方です。
②フリーストール・フリーバーン方式
日本で約3割がこの飼い方です。休息場所が仕切られているものを「フリーストール」どこでも自由に寝れるものを「フリーバーン」といいます。
牛は牛舎内を自由に歩くことができ、さく乳のときは牛が自分でさく乳するスペース(さく乳パーラーなど)に移動します。
エサは決められた場所に置かれていて自由に食べることができます。
エサやりやさく乳、掃除を人に代わって行ってくれる機械もあります。
こうした機械を買うにはたくさんのお金がかかりますが、酪農家の労力を減らすことができるので、たくさんの牛を飼っている規模の大きな牧場ではこうした機械を取り入れているところもあります。
【参考】