トップメッセージ
株主・ステークホルダーの皆さまへ
株主のみなさまには、日頃よりご支援いただき心より感謝申し上げます。
森永乳業グループは、笑顔あふれる豊かな社会の実現のため、私たちならではの「健康価値」と「おいしさ・楽しさ価値」の提供を追求し、社会課題の解決と収益力向上の両立を目指してまいります。
コストアップをカバーする収益対策が奏功し、増収増益を達成
長期化するウクライナ紛争や緊迫する中東情勢、世界的な金融引き締め政策など、国際情勢や経済の不透明な状況が続いています。国内景気は、感染症禍からの経済活動の持ち直し、インバウンド需要などを受けて緩やかな回復基調にあるものの、物価上昇による企業や家計への影響に引き続き注視が必要です。
そのような中、森永乳業グループは「中期経営計画2022-24」のもと、「健康価値」と「おいしさ・楽しさ価値」の提供に努め、特に国内外での健康ニーズの高まりを背景に、ヨーグルトや機能性素材をはじめさまざまな健康課題に配慮した「健康5領域」商品の拡大に継続して取り組みました。
一方で、2023年3月期からのコストアップの影響は継続し、とりわけ生乳取引価格については2023年4月、8月、12月と3度の価格引き上げが行われ、一段とコストアップが進行しました。これに対し、価格改定や高付加価値商品の拡大によるプロダクトミックス改善、グループ全体でのコストの見直しなどをより一層推進しました。
海外事業は2023年3月期に大きく拡大したドイツ・MILEI(ミライ)社の反動減などがあり減益となりましたが、中長期での成長を目指しM&Aを実施したパキスタン、米国、ベトナムの子会社を着実に軌道に乗せるべく取り組みを進めました。
これらの取り組みの結果、2024年3月期の連結業績結果は、売上高は前年同期比4.1%増の5,471億円、営業利益は同16.3%増の278億円、経常利益は同11.4%増の281億円、親会社株主に帰属する当期純利益は、東京工場跡地売却による特別利益として第1四半期に657億円を計上したこともあり、同263.3%増の613億円と大幅増益となりました。
グループの力を結集させ、「中期経営計画2022-24 」の達成を目指す
当社グループは、10年先を見据えた「森永乳業グループ10年ビジョン」を2019年に制定し、「『食のおいしさ・楽しさ』と『健康・栄養』を両立した企業へ」「世界で独自の存在感を発揮できるグローバル企業へ」「サステナブルな社会の実現に貢献し続ける企業へ」を10年後の当社グループのありたい姿と定め、2029年3月期の数値目標に「営業利益率7%以上」「ROE10%以上」「海外売上高比率15%以上」を掲げています。この考えのもと「中期経営計画2022-24」では、「事業の高付加価値化を通じた持続的成長の実現」「将来を見据えた経営基盤のさらなる強化」「効率性を重視した財務戦略」の3つを基本方針に定め、合わせて制定した「サステナビリティ中長期計画2030」とも連動をさせながら取り組みを進めています。
「中期経営計画2022-24」の達成に向けて重要な1年と位置づけた当期は、度重なる乳価改定や原材料価格の上昇といった逆風が吹く中、企業体質および事業の強化に努め、増収増益を達成することができました。2025年3月期は同計画の最終年度であり、国内事業の収益力強化はもちろん、海外事業のさらなる成長に向けた基盤の確立、効率化、シナジー創出などにスピードを上げて取り組みます。
また、「中期経営計画2022-24」の基本方針の1つ「効率性を重視した財務戦略」の考えのもと、「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応」を進めていきます。中でも、「バランスシート方針のアップデート」に基づき、最適資本構成の追求とともに株主還元を強化いたします。2024年3月期は、1株当たり60円と前期から15円の増配を行い、また、約100億円分の自己株式の取得と消却を実施しました。2025年3月期については、1株当たりの年間配当金予想を90円と2024年3月期から30円の増配とし、
自己株式の取得についても2期連続となる約100億円の取得と消却を実施しました。合わせて、株主のみなさまへの利益還元の機会を充実させるため、現在の期末配当に加え、配当基準日を9月30日とする中間配当を導入いたします。
先を読むことが難しい時代ではありますが、私たちがありたい姿を目指して軸をぶらさず、「中期経営計画2022-24」の完遂、ひいては「森永乳業グループ10年ビジョン」の実現に向けてまい進してまいります。株主のみなさまには、引き続きご支援を賜りたく、よろしくお願い申し上げます。