ビフィズス菌BB536が入っている「ビヒダス プレーンヨーグルト」は、特定保健用食品(トクホ)としてお客さまから「健康維持のお守り」と愛されています。腸内環境の改善に活躍するビフィズス菌について寄せられる質問から、知っておくともっと健康に役立つ知識を、森永乳業株式会社マーケティング統括部の岡田祐美子さんに聞きました。
―― 現在明らかになっているだけでもビフィズス菌は100種類以上あるそうですが、ビヒダスシリーズに使われているビフィズス菌BB536は、森永乳業が長年研究を続けている菌株と聞いています。
森永乳業のビフィズス菌研究には50年以上の長い歴史があります。私たちは長年、育児用ミルクを製造しており、赤ちゃんのおなかの健康を守っているのは何だろうと研究するなかで、ビフィズス菌に注目しました。
ビフィズス菌BB536は1969年に赤ちゃんのおなかから発見されました。ビフィズス菌は酸や酸素が苦手で、酸素がほとんどない人間の大腸に主にすんでいるのもそのためといわれます。そのなかでも比較的酸や酸素に強いビフィズス菌BB536の発見は、私たちにとって新たな可能性を拓(ひら)くきっかけとなりました。
ヨーグルトは一般的に酸性です。そのため当時、ヨーグルトに酸に弱いビフィズス菌を加えることは技術的に非常に難しかったと聞いています。ビフィズス菌が生きたままの状態を維持するためには、ヨーグルトの発酵の温度や時間をどう設定すればよいのか。容器はどんなものがよいのか。ビフィズス菌と相性の良い乳酸菌はどれかなど、数多くの工夫を重ねたそうです。当時の開発担当者は想像を超える回数の試作を繰り返したようです。
―― そうした苦心の末に、やっとビフィズス菌入りヨーグルトが完成したのですね。
ビヒダスヨーグルトの発売は1978年です。社内資料によると、当時、ほぼ全社員が、小売店などに、ビヒダスを知ってもらうための活動に取り組んだと記録されています。その活動の初日はビヒダスの頭文字をとって「Bデー」と名づけられました。
お客さまの「おいしさと健康」への貢献は森永乳業の創業当時からの精神です。ビフィズス菌BB536の発見から何年もかかったけれど、自信をもってお届けできる大型の新商品がようやくできた。そのときの興奮というか、社内の盛り上がり・勢いは相当なものだったのだろうと当時の雰囲気を想像しています。
―― 「おいしさと健康」への貢献という考えはどこからきたものでしょう。
森永乳業は1917年(大正6年)に「日本煉乳株式会社」として創業し、キャラメルの原料になる練乳を作っていました。1921年には育児用粉ミルクを発売しています。そのようなことから、栄養豊富な乳を通じて人々の栄養や健康に貢献したいという考えがあったと思います。
現在の森永乳業のコーポレートスローガンは「かがやく“笑顔”のために」です。おいしさは心を元気にします。お客さまの心と体の健康の先には、笑顔があります。笑顔あふれる毎日、笑顔あふれる社会のために貢献していきたいと私たちは考えています。
―― 森永乳業のビフィズス菌入りヨーグルトへのこだわりについて、お客さまにどう説明されていますか。
会社として一番こだわっているのは「ヒトにすむビフィズス菌」を使っている点です。創業からの歴史を踏まえ、赤ちゃんの健康の研究をしてきた当社だからこそのこだわりです。
ヒトのおなかにすむビフィズス菌は1500万年前から共生し、ほかの動物の腸内にすむビフィズス菌とは別の種として進化してきたとされます。お客さまからのご質問には、ヒトにすんでいる種類のビフィズス菌だからこそ、私たちの健康に重要な役割を担っているのではないか、とお伝えしています。
ビフィズス菌BB536はこれまでに世界累計30カ国以上で食品に使用されています。アメリカでは「GRAS(Generally Recognized As Safe)」という食品安全の認証を受け、一般食品に用いることのできるビフィズス菌としては、世界で初めてアメリカ食品医薬品局(FDA)により認可されたビフィズス菌です。
ビフィズス菌BB536が入った「ビヒダス プレーンヨーグルト」は、発売以来50年近くの実績があり、また特定保健用食品として、国から腸内環境を良好にしておなかの調子を整える効果が認められています。
―― その味わいは、お客さまにどのように評価されているのでしょう?
もう一つの特長は、おいしさです。「ヨーグルトは酸っぱい」と先ほど話しましたが、ビヒダス プレーンヨーグルトは酸味を抑えて、まろやかな味わいです。研究者目線から言うと、ヨーグルトの酸味を抑えることは、酸と酸素が苦手なビフィズス菌のためになるのですが、同時に、そのまろやかな味わいがお客さまに気に入られ、支持されるポイントになっています。
ビヒダス プレーンヨーグルトには「ミルク感のある味わい」「酸っぱすぎないからいろいろな楽しみ方ができる」といった声が数多く寄せられています。たとえばお料理へのトッピングやサラダのドレッシングといった料理にもアレンジしやすいと楽しんでいただいています。
―― お客さまとのコミュニケーションで、心掛けていることは?
商品のパッケージには必ず、ビフィズス菌が入っていることを目立つように入れています。さらに、ここ数年は健康面だけでなく、より身近に親しみや興味をもっていただけるようにと、情報発信の幅を広げることに取り組んでいます。最近の浅田真央さんを起用したCMもビフィズス菌に親しみや関心を抱いていただきたいという取り組みの一つです。