ギリシャヨーグルトの摂取が体組成の改善に寄与する可能性を確認 ~第8回アジア栄養士会議(The 8th Asian Congress of Dietetics)にて発表~
森永乳業は、甲南女子大学 医療栄養学部 医療栄養学科(木戸康博教授、小川亜紀助教)との共同研究によって、ギリシャヨーグルトの摂取が若年成人女性の体組成の改善に寄与する可能性があることを確認しました。本研究結果を2022年8月19日(金)~21(日)に開催された 第8回アジア栄養士会議(The 8th Asian Congress of Dietetics)にて共同研究先の小川亜紀助教が発表されましたのでご報告いたします。
1.研究背景
ギリシャヨーグルトは、一般的なヨーグルトよりも水分が少なく、良質な乳たんぱく質を豊富に含むヨーグルトです。濃厚でクリーミーな味わいで、継続的なたんぱく質補給に向いていることに加え、ヨーグルトとしての様々な生理作用も期待できる可能性がありながら、それらの研究報告は少ない状況でした。 そこで、タンパク質・アミノ酸栄養学分野で研究されている甲南女子大学 医療栄養学部 医療栄養学科との共同研究を行い、若年成人女性を対象に、ギリシャヨーグルトの摂取が体組成や身体機能、体感に与える影響について、探索的な調査を実施しました。
2.学会概要
アジア栄養士会議は、アジア人の食生活と栄養の問題を議論する国際会議で、4年に一度開催されています。アジア地域の各国栄養士会により組織されるアジア栄養士連盟が母体となり、各国の管理栄養士、栄養士が一堂に会し、活発な議論が行われます。第8回アジア栄養士会議は、初の日本開催で、パシフィコ横浜にて実施されました。
アジア栄養士会議Webサイト:https://www.acd2022.org/
3.発表内容
1)演題名
Effects of Greek yogurt on body composition, muscle strength, physical functions, and subjective evaluation parameters (ギリシャヨーグルトの摂取が体組成,筋力,身体機能,体感に与える影響)
2)研究内容
今回の研究では、次の通りに調査を実施し、解析いたしました。
対象者 :若年成人女性(甲南女子大学の大学生:47名)
サンプル摂取量:森永乳業提供のギリシャヨーグルト1日1個(100g) たんぱく質10.2g配合
摂取期間 :12週間
試験デザイン :単群前後比較試験
評価項目 :摂取0,4,8,12週後に体重、体組成、筋力(握力)、身体機能(歩行速度、歩幅)の測定、
体感に関するアンケート調査(便性、疲労感、睡眠、肌の状態)の実施
4.研究結果
体重、体組成 :体重、体脂肪量が有意に減少。筋肉量は維持
筋力 :握力が有意に上昇
身体機能 :通常歩行時及び最大歩行時の歩幅が有意に増加し、通常歩行時の歩行速度が有意に上昇
体感調査 :便性、疲労感、睡眠、肌の状態に関する主観的評価が改善
本試験を実施するにあたり、試験参加者には、試験実施当時のコロナ禍による行動制限下でも日常生活レベルの運動を維持していただくため、トレーニングゴムバンド(ゴムの張力で筋肉に負荷を与えるツール)を提供し、毎日15分程度の軽度の運動を実施することを推奨しました。また、背景調査で実施した食事の摂取頻度調査より、エネルギー摂取量が低く抑えられていたことが確認されました。そのため、日常生活レベルの運動が維持され、さらにエネルギー摂取量が低かったことが体重減少の一因であると推測されました。
本結果から、通常の日常生活活動に伴う運動を維持しながらのギリシャヨーグルトの摂取による継続的なたんぱく質補給が、体脂肪減少、筋肉量維持の体組成改善に繋がった可能性が示唆されました。