2022年05月10日 商品情報

サステナビリティ経営の実現を目指す森永乳業
牧場で排出されるメタンを最大30%削減目標(※1)
酪農家の約3割(※2)が悩むふん尿処理方法や慢性的な人手不足の対策

酪農におけるふん尿処理システム
「MO(エムオー)-ラグーンfor Dairy」
2023年春 森永乳業グループの牧場へ導入予定


森永乳業株式会社は、生乳生産に伴う環境負荷の低減と生乳生産基盤の強化を目指し、畜産バイオマス発電施設と排水処理施設を兼ね備えた酪農・畜産におけるふん尿処理システム「MO-ラグーンfor Dairy」を関係会社の森永酪農販売株式会社が運営する那須岳麓(がくろく)農場に導入します。
※1当社調べ 那須岳麓農場で発生するメタンのうち、排せつ物由来のメタンを削減した場合
※2森永酪農販売 2020年 酪農家へのアンケート調査 n=421戸

1996年をピークに減産傾向が続いてきた国内の生乳生産量は、国や酪農乳業関係者による取り組みの結果、2019年から3年連続で増産になりました。一方で、酪農家の飼養規模拡大は進んでいるものの、戸数は毎年減少しており、生乳生産基盤を強化するためにはさらなる取り組みが必要です。
生乳生産基盤の強化には牧場の規模拡大は重要な要素ですが、規模拡大の際に課題となるのがふん尿の処理です。牧場の規模拡大により増加するふん尿の処理が、規模拡大するにあたり大きな障害になることがあります。現状でも酪農家の約3割がふん尿処理に悩みを抱えていることが明らかになっています(※2)。規模拡大には現状以上のふん尿の発生を伴う事から、ふん尿処理は多くの酪農家にとって規模拡大する際の大きな課題になります。
また、生乳生産基盤を強化していく上で、温室効果ガス(以下、GHG)削減も求められています。酪農から排出されるGHGの中ではメタンが多くを占めています。メタンは温暖化に対する影響が二酸化炭素に次いで大きいため、メタン削減は酪農業界にとって大きな課題となっています。

「MO-ラグーンfor Dairy」はバイオガスプラントと、森永乳業グループの独自技術である“微生物の力で排水を分解処理する「MO-ラグーン®(※3)」”を組み合わせたシステムです。「MO-ラグーン®(※3)」を酪農・畜産におけるふん尿の浄化に応用し、浄化後に放流を行います。また、バイオガスプラントを組み合わせた「MO-ラグーン for Dairy」を導入することで、牧場で排出されるメタンの排出量を最大30%と大幅に削減することを目指します(※1)。
さらに、「MO-ラグーンfor Dairy」によって那須岳麓農場では圃場(ほじょう)(農作物を育てる場所)に散布するたい肥の量を現状の約75%削減することを目指しています(※4)。たい肥の散布量を大幅削減できれば、たい肥散布の人手や圃場確保に悩む酪農家の課題解決に役立つと考えています。
森永乳業はこれらの実証研究施設として「MO-ラグーンfor Dairy」を森永酪農販売(株)那須岳麓農場に導入いたします。そこでの効果検証にもとづく成果を活用して将来的にはこのシステムそのものを全国の酪農家へ販売することで、多くの酪農家が直面しているふん尿処理課題と環境負荷の低減に貢献したいと考えています。
「for Dairy」(=酪農のために)という名称は、将来、酪農家・畜産農家に向けた支援につながればという想いを込めました。

サステナブルな酪農乳業界のために、生乳生産に伴う環境負荷の低減と酪農家の生乳生産基盤強化を目指します。

※3 MO-ラグーン®について
自然界の浄化作用に近い形をとり、大きな浄水処理を行う槽の中で、微生物の力でゆっくりと酪農排水の分解処理を行います。維持管理が容易かつ余剰汚泥(排水中の固形物)の発生が非常に少なく、環境に優しい浄化システムです。
森永乳業が1969年に開発し、1972年以降は、関係会社の森永エンジニアリングを通して、外部への販売を開始しました。森永乳業グループの自社工場のみならず、食品メーカーを中心に約300社でご利用いただいています。
※4 システム導入前の那須岳麓農場のたい肥発生量を元に算出


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