アラビアガムがビフィズス菌を増やす仕組みを解明
―鹿児島大学との共同研究からー ~科学雑誌『Applied and Environmental Microbiology』誌掲載~
森永乳業は、鹿児島大学の藤田准教授と共同で、離乳期以降の腸内でビフィズス菌が糖を利用する仕組みについて、研究を進めております。このたび、腸内のビフィズス菌ロンガム種の一部を増殖させることが知られているアラビアガム(アカシア属植物の樹液に含まれる高分子多糖)に関する研究から、以下の2点が明らかになりました。
①ビフィズス菌ロンガム種がアラビアガムを利用して増殖するには、本研究の過程で新たに発見された「GAfase」という酵素が不可欠であること
②「GAfase」はアラビアガムの末端構造を分解することで、アラビアガム利用に重要な役割を果たしていること
今回、ビフィズス菌ロンガム種がアラビアガムを利用する仕組みが解明されたことにより、ビフィズス菌の糖の利用に関する知見が蓄積されたと考えております。将来、このような研究が発展し、ビフィズス菌の糖の利用に関して、その全貌や、他の腸内細菌あるいは宿主との相互関係についても明らかになることが期待されます。
本研究成果は、科学雑誌『Applied and Environmental Microbiology』誌(2021年3月5日付Web版)に掲載されました。
森永乳業では、鹿児島大学との共同研究を含め、乳児期~老年期の腸内におけるビフィズス菌の糖の利用に関する研究を継続してまいります。客観的なデータを積み重ねることにより、人々の健康に貢献できる正しい情報と優れた素材を発信できるよう、努めてまいります。