2020年07月09日 研究開発

【2020年12月2日更新】

ビフィズス菌A1(Bifidobacterium breve A1) が、軽度認知障害(MCI)の疑いがある方の認知機能を改善する作用を確認
~科学雑誌『Journal of Alzheimer’s Disease』掲載~


 森永乳業では、認知機能改善作用が確認されている当社独自保有のビフィズス菌であるBifidobacterium breve A1(別名MCC1274、以下B. breve A1)について、軽度認知障害が疑われる方80名を対象とするプラセボ対照ランダム化二重盲検並行群間比較試験を実施し、総合的な認知機能を顕著に改善する結果が得られましたので、ご報告いたします。
なお、本研究成果は、科学雑誌「Journal of Alzheimer’s Disease」に2020年7月3日(金)に掲載されました。

<研究背景と目的>
 近年、腸内細菌が健康と密接に連関していることが明らかになっており、腸内細菌を含めた腸と脳が機能連関することを意味する“脳腸相関”が注目されています。森永乳業では、50年以上にわたりビフィズス菌の研究を行っており、“脳腸相関”にも注目し、ビフィズス菌摂取による認知機能改善を目指しています。
これまで当社ではB. breve A1の認知機能改善作用の可能性について報告を行ってまいりました。
このたびB. breve A1のヒトへの有効性をさらに検証するため、軽度認知障害の疑いがある方を対象とした試験を実施致しました。

<研究内容>
研究方法
◆対象者:軽度認知障害の疑いがある50歳以上80歳未満の男女80名
◆試験デザイン:プラセボ対照ランダム化二重盲検並行群間比較試験
◆試験食品摂取:対象者をランダムに2群に分け、B. breve A1を100億個含むカプセルまたは、ビフィズス菌を含まないプラセボカプセルを1日2個、16週間摂取
◆評価:摂取前と16週間摂取後に、神経心理検査の一種である『アーバンス神経心理テスト(RBANS)』(主要評価項目)ならびに『あたまの健康チェック®(MCI Screen)』(副次評価項目)を用いて認知機能を評価しました。

研究結果
◆『RBANS』による評価では、B. breve A1の摂取により、プラセボ摂取群と比較して総合的な認知機能の指標である評価点合計の著しい改善が見られました。さらに、即時記憶、視空間・構成、遅延記憶を司る認知領域の点数も顕著に向上しました。
◆『あたまの健康チェック®(MCI Screen)』による評価においても、プラセボ群と比較して認知機能の有意な改善が確認されました。
◆B. breve A1の継続摂取により総合的な認知機能が改善する可能性が示されました。


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