女性ホルモン低下状態における皮膚光老化に対する
アロエステロール(R)の予防効果とそのメカニズムを解明 ~第114回 日本皮膚科学会総会(2015年5月29~31日)発表内容のご報告~
森永乳業は、アロエステロール(R)含有アロエベラ葉肉粉末(AVGP)の摂取により、女性ホルモンが低下して皮膚光老化を受けやすい状態でも、紫外線によるコラーゲンやエラスチンの分解、またヒアルロン酸合成の低下が予防されることを確認いたしました。
これらの研究結果を、第114回日本皮膚科学会総会(2015年5月29日~31日、横浜)にて発表いたします。
また、同学会にてイブニングセミナー(5月29日)を開催し、アロエステロール(R)研究で得られたこれまでの知見を紹介いたします。
研究の背景と目的
当社では、これまでにアロエベラゲルからアロエステロール(R)を発見し、経口摂取による皮膚への効果について検討してまいりました。その結果、ヒト臨床試験および皮膚光老化モデルにおいて、アロエステロール(R)摂取による皮膚水分量の低下予防ならびにシワ形成予防・シワ深度の改善効果を確認しました。さらに、その作用メカニズムとして、紫外線によって引き起こされるタンパク質分解酵素(マトリックスメタロプロテアーゼ;MMP)の増加とヒアルロン酸合成酵素の低下を、アロエステロール(R)が防いでいることを見出しました。
一方、女性ホルモン(エストロゲン)は、皮膚の角化細胞や線維芽細胞、メラニン細胞、皮脂腺などに作用して、皮膚の生理機能に重要な役割を果たすことが知られています(表1)。そのため、女性ホルモンが減少すると、皮膚の弾力性の維持に必要なコラーゲンやエラスチン、皮膚の水分保持に重要なヒアルロン酸などの量と質が低下し、皮膚の老化が進行するといわれています。
さらに、女性ホルモンが低下した状態では、紫外線によるダメージを受けやすくなっているため、弱い線量の紫外線であっても、通常よりも皮膚光老化が加速されることが報告されています。
そこで、今回は、女性ホルモン低下モデルを用いて、紫外線による皮膚光老化に対するアロエステロール(R)の予防効果と、そのメカニズムについて検討を行いました。
表1)女性ホルモン(エストロゲン)の皮膚における作用