たんぱく質は、筋肉、臓器、皮膚、毛髪など、人間の体のあらゆる組織の主要な構成成分です。また、ホルモンや酵素、抗体などとして、生命の維持に欠くことのできない機能にもかかわっている健康維持に必要不可欠な栄養素です。
たんぱく質が不足すると、筋肉が減少し基礎代謝の低下や、肌や髪のトラブルにもつながることが考えられます。
日本人は戦後、食生活の欧米化に伴い1日のたんぱく質の摂取量が増加してきました。しかし、1995年の81.5 g※1を最大としてその後は低下に転じ、2019年には71.4 g※2と約10 gも低下しています。この変化は、日本人の食事内容の変化や、ダイエット志向やメタボ予防対策として、意識的に食事量を減らす傾向があることも影響していると考えられます。
このような状況に対応するためにも、良質なたんぱく質を効率よく摂取することが重要です。たんぱく質は、乳製品や魚、肉、卵、大豆などに多く含まれていますが、それぞれに特徴があるため、様々な種類のたんぱく質を摂ることが大切だと考えられます。
※1 平成7年 国民栄養調査
※2 令和元年 国民健康・栄養調査
「日本人の食事摂取基準(2020年版)」では、18歳以上の女性のたんぱく質の推奨量は、1日に50 gとなっています。また一般的に、たんぱく質の摂取量は朝食で少なくなりがちですが、朝・昼・晩で偏りなく摂ることが望ましいと言われています。
食べる量がもともと少ない、忙しくて食事の見直しが難しいという方は、プロテイン飲料やたんぱく質が強化された飲料やスナックなどを上手に利用するのもよいかもしれません。