お腹の筋肉を刺激するドローイン(呼吸法)
まず1つ目の方法がドローインです。
ドローインは腹横筋※などのお腹のインナーマッスルを呼吸で鍛える体幹トレーニングのことです。
※腹横筋:お腹の最も奥にあり腹部を覆う筋肉
やり方は、「お腹を引っ込めたまま、呼吸をする」というイメージです。
ドローインは立った姿勢や座った姿勢、また横になった姿勢でもできるので、場所を選ばずに行えます。
簡単で誰にでもできる呼吸法とされているため、初めての方でも行いやすいエクササイズです。
ドローインで大切なポイントは呼吸です。息を吐く時や吸う時は力強く、呼吸を意識して行いましょう。
ドローインを行うことで体幹を鍛えられ、ぽっこりお腹や姿勢の改善につながると考えられているので、ぜひマスターしましょう。
立った姿勢で行うドローイン
立った姿勢のドローインは以下のように行います。
POINT
1.まっすぐ立ち、肩の力は抜き、胸を張るように立ちます。肩甲骨を軽く寄せるようにし、腰を反らさないように注意しましょう。
2.大きく息を吸います。
3.口から細く息を吐きながら、おへそを中心にグッと背中側にお腹を凹ませていきます。はじめはお腹に手を置くと、お腹の凹み具合がわかりやすいです。
4.そのままの姿勢で10秒〜30秒キープします。
5.ゆっくり息を吸いながら元の姿勢に戻します。
まずは数回行うことから始め、無理のない範囲で継続していきましょう。
椅子に座った姿勢で行うドローイン
ドローインは椅子に座った姿勢でも行える呼吸法です。
POINT
1.椅子に浅めに座ります。
2.前かがみになったり後ろに反ったりしないように、姿勢よく座ってください。
3.軽く胸をはって、肩の力を抜きます。
4.ゆっくり息を吐きながら、お腹を凹まし、その姿勢を10~30秒保ちます。この時、息を止めないように注意しましょう。
5.ゆっくり息を吸いながら元の姿勢に戻します。
こちらも立った姿勢の時と同様にまずは数回から始め、無理のない回数で行いましょう。
仰向けに横たわった姿勢で行うドローイン
最後に仰向けで行う場合のドローインの手順です。
POINT
1.仰向けに寝て両膝を立てます。この時、膝は60~90°くらい曲げた姿勢を取りましょう。
2.そのままの姿勢で何度か腹式呼吸をし、ゆっくりと深呼吸をします。
3.お尻の穴を引き締めます。
4.骨盤内側に手を押し当て、腹式呼吸をします。この時に、もうこれ以上凹まないと思うところまでお腹を凹ませるように息を吸い、そのまま10秒〜30秒キープします。
5.ゆっくり息を吸いながら元の姿勢に戻します。
苦しくない程度の回数を続けていくようにしましょう。
体幹を鍛えるプランクトレーニング
次にご紹介する方法は、プランクトレーニングです。
プランクとはうつ伏せにした体を前腕やひじ、つま先で支え、姿勢をキープして体幹部の筋肉に負荷をかける体幹トレーニングです。
簡単なように見えますが実際に行ってみると、きついと感じる方もいるでしょう。
そんな方はまずは基本のプランクからマスターしましょう。
基本のプランク
まずは基本となるプランクの方法の手順です。
POINT
1.四つ這いになり、床に両ひじをつく。
2.その後、両ひざを伸ばし、頭からかかとまで一直線にする。
この時、お尻が高くなったり、頭が高くなったりすることがあるので、頭からかかとまで真っ直ぐになるようにします。真っ直ぐになっているかわからない場合は、鏡を見て調整してもいいでしょう。
3.そのまま30秒キープします。慣れてきたら徐々に時間を長くしていき1分キープするのを目指しましょう。
お腹をツイストするプランク
基本のプランクの姿勢ができたら、応用編のプランクをしてみましょう。お腹をツイストすることでより負荷をかけられます。
POINT
1.床に横座りした姿勢から上体をひねり、両ひじを床につけます。
2.そのまま腰を浮かせて30秒キープします。この時呼吸は自然に続けます。わき腹がしっかり伸びている感覚があればOKです。
3.左右を逆にして同様に行います。
腰を痛めるなど体に負荷がかかりすぎないように、少しずつ無理のない範囲で行っていきましょう。
腸の動きを促す膝抱え体操
他にも、腸の動きを促す体操もあります。
腸がしっかり動いていないと、ぽっこりお腹の原因になります。お通じがスッキリしない方は、これからご紹介する体操を取り入れてみましょう。
POINT
1.仰向けになって両膝を胸の方に近づけ、5秒間静止します。この時、えびのように丸くなり、お尻が床から浮いていることを確認しましょう。
2.次に、軽くお尻が浮くようにリズミカルに反動をつけて揺り動かします。ゆらゆらとゆりかごのように揺れるイメージで行います。両膝を抱えて行うことが難しい場合は、片膝だけでもOKです。
3.2の動きを10回繰り返します。ここまでを1セットとし、状態に合わせて2~3セット行います。
膝を抱えることが難しい場合、サポートをしてくれる方がいるのであれば、その方に膝を少し押してもらっても問題ありません。
膝は胸についていなくてもいいので、お尻が浮いているか必ず確認しましょう。おへそがぎゅっと近づいて、お腹にシワが寄っていればOKです。
体幹ねじりで脇腹ストレッチ
続いて紹介する方法は、体幹ねじりのストレッチです。
POINT
1.両腕を広げ仰向けになり、肩が床から浮かないようにして、両膝を立てたまま横に倒します。
うまく倒れない時は、サポートをしてくれる方がいればその方に横に倒せるように手伝ってもらいましょう。また倒した時に肩が浮いてしまう場合も、軽く肩を抑えてもらいましょう。
2.ゆっくりと左右に膝を倒し、10往復くらい繰り返します。
体の硬い方だと、膝を横に倒した時に肩や腰、骨盤が床から離れてしまう方もいます。介助者のサポートを得ながらでも良いので、肩と腰がしっかり床にくっつくようにしましょう。肩や腰、骨盤が床から離れないまま膝を倒せたら、しっかりねじれている証拠です。
「の」の字マッサージ
他にも「の」の字マッサージをする方法もあります。
外側から腸を刺激して、腸の働きを促すことで腸の正常な働きを取り戻す効果が期待できる方法です。
腸の動きにそって、「の」の字を書くように時計回りでゆっくりとマッサージします。
POINT
1.両膝を軽く曲げて仰向けになり、手の平をおへその下におきます。
2.おへその下から右下→おへその上→おへその横へと円を描くようにゆっくり、手のひらか親指の根元で押していきます。
3.この動きを10回程度繰り返します。
少しお腹が凹む程度の強さで、マッサージを行いましょう。
詳しくは「腸もみ」の記事をご覧ください。
エクササイズをマスターしてぽっこりお腹を改善しよう!
この記事では、ぽっこりお腹に効果が期待できるエクササイズをご紹介しました。初めはご自身で取り入れやすいものから始めていただき、徐々に負荷をかけたり、エクササイズの時間や回数を増やしたりしていきましょう。
エクササイズは、効果が出るまでに時間がかかるため、少なくとも3カ月は続けてくださいね。
場所を問わずできるものもあるので、まずはできそうなものからチャレンジしてぽっこりお腹の改善を目指しましょう。