便意があるのに便が出ない!便を出にくくする主な原因とは

2024.06.01 (sat) お通じ悩み
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便意を感じてトイレに行っても、便が出そうで出ないという方はいるのではないでしょうか。
便意があるのに便が出ないと、お腹がスッキリしない状態が続くため困っているという方もいるでしょう。
この記事では、便意があるのに便が出ない原因や、そもそも便を出にくくしてしまう原因とその対処法について解説していきます。

便意があるのに便が出ない時ってどんな状態?

便意があるのにトイレに行っても便が出ない時は、お腹の中はどんな状態なのか気になっている人もいるでしょう。
主に便意があるのに便が出ない原因は3つ考えられます。
原因とともにお腹の中の状態をそれぞれ解説していきます。

便の量が少ない

そもそもお腹の中で作られる便の量が少ないため、思うように力んでも便が出てこないケースが原因として挙げられます。
便の量が少ないという状況は、栄養バランスの偏りによって生じることが多く、便をかさましする役割とされる食物繊維を適切に摂取できていないことなどが要因と考えられます。

筋力が低下している

そもそもお通じが出にくい時に力む際には、横隔膜や腹筋といった筋肉を使っています。無理やり硬い便を出そうと力むのは良くないものの、通常の排便のためにも、ある程度の筋力は必要です。
高齢な方の場合、筋力低下が原因で数日間排便が見られなかったり、便意があるのに出ないためトイレに頻回に行ったりするといったケースもあります。

便が硬い

1日の水分摂取量や、水分を含んだ食材の摂取が少ないのが原因で、便が硬くなってしまっており、排便に困難を要している状態です。
便が硬くなってしまうのは水分不足だけでなく排便を我慢してしまうのも要因と考えられています。

▶︎ 便が硬い.......コロコロうんちになる原因と対処法はこちら

便意があるのに出ない原因とは?

ここではなぜ便意があるのに便が出ない状態になってしまうのか、お通じが出ない原因を解説していきます。
主な原因は下記のものと考えられています。

POINT

POINT

・食生活の偏り
・生活リズムの乱れ
・精神的なストレス
・腸内細菌叢(腸内フローラ)のバランスが崩れている

それぞれ詳しく原因をみていきましょう。

食生活の偏り

便意があるのに便が出ない腹部の状態として、便の量が十分でない、水分が足りていないなどが理由だと前述しました。
便の量を増やす役割を担うとされている栄養素がうまく摂取できていなかったり、水分量の多い食材を摂取していなかったりといった食生活の偏りも便意があるのにお通じが出ない原因と考えられています。
便の量を増やす役割のある食物繊維を摂取したり、便に水分を与える役割のある食材を摂取したりするなど、適切な栄養バランスで食事を摂取しつつお通じの調子を整えるように意識していく必要があります。
詳しい食材については後半の章で解説していくので参考にしてください。

生活リズムの乱れ

睡眠時間が短く十分な睡眠が取れていないなど生活リズムが乱れると、自律神経のバランスが崩れる場合があるとされています。
そして自律神経は呼吸や循環、消化や代謝などと関連しているとされているため、自律神経のバランスが乱れると適切な排便リズムが保てなくなるケースもあるでしょう。

精神的なストレス

自律神経と腸の動きには関連性があると前の章で解説しました。

そもそも自律神経は交感神経と副交感神経に分かれており、精神的なストレスを感じて緊張感が高まると交感神経が優位になります。そして交感神経が優位になると腸管の動きは抑制されると考えられています。
そのため精神的なストレスを持続的に受けている環境にある場合、腸管の動きは抑制されやすい状況が続くため、慢性的にお通じの悩みを抱えてしまうかもしれません。

腸内細菌叢(腸内フローラ)のバランスが崩れている

腸内には数百種類かつ約40兆個の腸内細菌が生息しているとされています。そして腸内には善玉菌と悪玉菌以外にもさまざまな種類の菌が存在しています。
腸内はもちろん体全体の健康を維持するためにも、善玉菌や悪玉菌、その他の菌も適切なバランスで共存している状態で保つのが大切です。
ただし乱れた食生活を続けていたり適切な生活リズムが送れていなかったりすると、悪玉菌が増殖して腸内の環境が乱れてしまいます。腸内細菌のバランスが崩れると「便意があるのに便が出ない」という状態になってしまう場合があります。

便意があるのに便が出ない!日常生活での改善点・対処法

便意があるのに便が出ない場合に、日常生活で改善できることや対処法を解説していきます。
便意があるのに便が出ないと悩んでいる方は、できることから実践してみましょう。

食生活の改善

食生活が乱れていると感じる方は、まずは食生活の改善が重要です。
お通じの悩みを改善するためには、栄養バランスよく食べることはもちろん、水に溶けない不溶性食物繊維と水に溶ける水溶性食物繊維の2種類の食物繊維を摂取する必要があります。不溶性食物繊維は便の量を増やす役割があるとされており、水溶性食物繊維は便を柔らかくしたり、腸内の善玉菌を増やしたりする役割があるとされています。
また食物繊維は、取りすぎた脂質や糖などを排出する役割も持っているため、お通じの悩み解消には欠かせない栄養素と言えるでしょう。
食物繊維は果物類やにんじん、キャベツ、根菜やきのこ類に含まれています。毎日の食事に意識して取り入れるようにしましょう。

腸内細菌叢(腸内フローラ)の改善

腸内細菌の環境は、悪玉菌を減らして善玉菌を増やす必要があります。
そのため善玉菌を増やすためには、ビフィズス菌や乳酸菌などの生きた善玉菌である「プロバイオティクス」が含まれている食品の摂取がおすすめです。日常生活で生きた善玉菌を摂取するには、乳酸菌飲料やヨーグルト、納豆などの食品が良いでしょう。ただし摂取したビフィズス菌や乳酸菌などの菌は腸内に住み着くことはない菌のため、毎日継続的に摂取する必要があるとされています。
そのためもう一つの方法として、善玉菌を増やすと考えられている「プレバイオティクス」を摂取する方法も、腸内環境の改善策として取り入れると良いでしょう。
プレバイオティクスには前述の食物繊維とオリゴ糖が該当します。プレバイオティクスの摂取は、すでに腸内に存在している善玉菌に餌をやり数を増やそうという考え方で、食材としては玉ねぎや大豆、ごぼうやバナナなどが挙げられます。

ただしオリゴ糖は急激に多量に摂取すると、お腹がゆるくなったり張ったりすることもあるため、少量ずつ摂取していくのがおすすめです。1日あたり2〜10gを2、3回に分けて摂取しながら体に慣らしていくのが良いとされています。
腸内環境の改善はすぐにできるものではないため、少しずつ食事を改善しながら焦らず取り組むようにしましょう。

食事と飲料から水分摂取

水分摂取というと飲料から摂取するイメージが強いのではないでしょうか。しかし食材からも水分は摂取できます。
水分が多い食材として、きゅうりやにんじん、キャベツなどが挙げられます。これらは水溶性食物繊維であり、便を柔らかくする作用が期待できる食材です。そうした水分を多く含む食材を摂取するように心がけるのも良いでしょう。
しかし食材から摂取できるとはいえ、飲料からの摂取も重要です。人それぞれ年齢や性別、運動量や体重などによって必要な水分量は異なりますが、体重60kgの成人男性であれば飲み水からは1日あたり1.2Lの水分が必要と考えられています。そのため積極的に水分摂取するのが大切です。
また飲料も利尿作用のあるコーヒーやアルコールの摂取は避けて、水や白湯を飲むようにするのが良いでしょう。

▶ 【薬剤師監修】腸内環境を整えよう!腸活におすすめの食べ物6選を解説はこちら

適度な運動習慣

便意があるのに便が出ないのは、腹筋などの排泄に影響する筋肉が落ちていたり、腸管自体の運動が鈍くなっていたりする可能性もあります。
腸管の動きの改善のためにも適度な運動習慣を身に付けていくのも大事と考えられるでしょう。
特にお通じの改善に影響すると考えられているのは、ウォーキングのような有酸素運動です。ただし寒い冬に外で運動して体が冷えてしまうことがないように、なるべく体を温めて運動するよう心がけましょう。

便意があるのに便が出ない時にすぐにできる対処法

最後に便意があるのに便が出ない時にすぐにできる対処法を解説します。
もし便意があるのに便が出ないという状況にあった際には、ぜひ試してみてください。

排便時の姿勢を工夫する

便意があるのに便が出ない場合、排便時の姿勢を工夫する必要があります。
洋式トイレの場合は、少し前屈みで太ももの角度を35度くらいにすると良いとされています。もし踏み台となりそうなものがあれば、太ももの角度を保つためにも踏み台を用いると良いでしょう。[1]

腹部をマッサージする

腹部のマッサージもお通じが出ない時に良いと考えられています。人差し指から薬指までの4本の指で、お腹を時計回りに「の」の字を描くようにマッサージします。
出ない時だけでなく、本来は体があったまっている時や入浴後のような、副交感神経が優位になっているリラックス時がおすすめです。

▶ 「腸もみ」でぽっこりお腹にさようなら?自宅でできるセルフ腸マッサージはこちら

便意があるのに出ない時は食生活や腸内環境を見直そう

ここまで便意があるのに便が出ない原因や、そもそも便を出にくくしてしまう原因と、日常生活で実践できる対処法について解説しました。
主にお通じの悩みを改善するには、食生活の見直しや腸内環境の改善が重要です。便意があるのに出ない…と悩んでいた方はここで紹介した方法を実践してみてください。

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