商品開発

PARM(パルム)

「大人が満足できる、シンプルで上質なアイスクリーム」
という新たな価値を目指して
PARM(パルム)

大人が満足できる、シンプルで
上質なアイスクリームを目指して

《PARM(パルム)》は「大人が満足できる、シンプルで上質なアイスクリーム」を目標としてスタートしました。開発プロジェクトがスタートした2002年当時、アイスクリーム市場はすでに成熟化していましたし、アイスクリームという商品自体がコモディティ化(一般化)されていたと言えます。当時アイスクリームといえば子供が食べるものという認識が主流でした。しかし、これから先、少子高齢化が進んでいく日本の社会背景などを考えたとき、「大人のためのアイスクリーム」という発想に、新しい可能性と価値を見出せるのではないかと考えました。それが、最初のスタートです。

また、繊細な舌、味覚を持つ日本人は、アイスクリームにおいても食感やくちどけを重視します。特においしさを重視するお客さまほど、そのこだわりは強い傾向があります。そのような、大人の方々に満足いただける商品を生み出すことを最初に意識しました。特にチョコレートバータイプのアイスクリームは、市場としてはすでに大きなものだったのですが、突出したNo.1ブランドはありませんでした。このカテゴリーであればトップシェアを狙えるのでは、とも考え、《PARM(パルム)》の基本的なコンセプトが出来上がってきました。

アイスクリームのおいしさを
科学的に追求

アイスクリームにとって液状のアイスクリームミックスを凍らせて固形にするフリージングの工程は、アイスクリームの口どけや固さ、舌触りなどおいしさ全般に影響を与える重要な要素です。当社は基礎研究としてフリージング工程での脂肪球粒子の動きを検証するなど、おいしさを科学的に分析する取組を進めてきました。
こうして生まれたのが《PARM(パルム)》に使われている「急速フリージング製法」です。

乳の深いコクと、後味のキレを
両立させる独自のフリージング製法

アイスクリーム組織比較

《PARM(パルム)》のアイスクリーム部分の特徴である“なめらかさ”は、急速フリージング製法という独自の工程にあります。
より低温で充填し急速硬化させ、組織を微細化することにより、氷結晶が細かい状態で存在するため、極上のなめらかな舌ざわりが実現するのです。一般的な家庭の冷凍庫の温度(-18℃以下)でしっかりと保存していただければ、《PARM(パルム)》独自のなめらかさが長く続くよう工夫もしています。

アイスとチョコが一体化した食感を追求

チョコ

さらなるこだわりは、「アイスとコーティングチョコが一緒にとけていく」という点です。チョコレートバーアイスを好きな方は、チョコだけが好き/アイスが好き、ではなく「チョコレートバーアイスが好き」なはずです。だからこそ、チョコレートとアイスのバランス、そして一体感はとても重要です。

一般的なチョコレートバーは、チョコがパリパリしており、食べる時にはがれ落ちたり、口の中でアイスが先にとけチョコが残ることがあります。一方、《PARM(パルム)》は、アイスとコーティングチョコの噛みだしに差がなく、一体感があることを、食べてくださったお客さまには感じていただけると思います。生チョコを目指して実現させた「はむっと」した食感も、チョコレートバーアイスとしては斬新な試みと言えるでしょう。この新しいチョコの開発だけでも1年以上を費やしました。

チョコがとけるまで

《PARM(パルム)》が開拓した
大人向けアイスクリームという新市場

研究を重ね、理想の商品像が見えてきたものの、実際に工場で製造するには、数多くの課題をクリアしなければなりませんでした。海外から購入したままの製造設備では、アイスの乳風味が弱く、キレもなく、舌ざわりも悪い、目指すべきアイスクリームからは程遠いものしかできませんでした。そこで、装置開発を専門に実施している生産技術センター(当時:装置開発研究所)と協力し、フリージング(凍結)工程であるフリーザー設備を中心に《PARM(パルム)》用にカスタマイズを実施しました。数カ月もの間、食感に影響を与える工場の設備に改良を加えてきました。そして改良を加えるたびにアイスクリームの配合を微調整し、製造条件を試行錯誤しました。同時に、クリームや脱脂濃縮乳などの乳原料を厳選し、アイスクリームの風味をより豊かで、大人が美味しいと感じるものへ近づけていきました。味や食感、くちどけ、やわらかさや甘さの程度まで、とことん追求し、配合や製造条件の調整を繰り返しました。ついに満足いく風味、食感が実現できたのは、発売日に間に合うギリギリのタイミングでした。

PARM(パルム)

2005年の発売からすでに15年以上が経ちますが、《PARM(パルム)》は「ちょっと贅沢な大人向けアイスクリーム」として、今も多くのお客さまに支持していただいています。《PARM(パルム)》の登場により、大人向けアイスクリーム市場は確立し、今では様々な競合商品がありますが、変わらず高いシェアをキープしています。
ときには新しいフレーバーなどで新鮮な味わいを楽しんでいただきながら、変わることのない上質なアイクリームをこれからもお届けしていきます。

Column

《PARM(パルム)》のフリージング工程における工夫

アイスクリームは主に気泡、脂肪球、氷結晶と未凍結相から構成される複雑な食品コロイド※です。特にフリージング(凍結)工程の制御は、融解性や硬さなどの物性や、舌ざわりなどの官能特性に大きな影響を与えます。
フリージング工程制御技術により、A)しっかりとした乳風味の強さを持ちながら、後味のキレが良いという風味特徴、B)チョコととけ方を揃える融解特性、C)独特のなめらかな食感、を持つアイスを実現することが可能となります。《PARM(パルム)》の製造工場では急速フリージングを行う前の充填工程から低温管理を行い、アイスクリームの組織がきめ細かい状態を維持できるよう工夫しています。

※コロイド:細かい粒子が液体・気体・固体などの媒体中に分散している状態


エクスツルード製法

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