商品開発
MOW(モウ)
目指したのは「毎日たべたいアイスクリーム」。おいしさとやさしさを科学の目で追求
基礎研究に支えられた
おいしいアイスクリーム作りを目指して
当社では、長年にわたりアイスクリームの基礎研究に取り組んできました。日本で初めてアイスクリームで博士号を取得した研究者もいるほどです。そのようなアイスクリームの基礎科学的な知見を最大限に活かし、乳業メーカーでしか作ることのできないアイスクリームを作ろう、と始まったのが《MOW(モウ)》の開発プロジェクトです。当時、バニラアイスといえば、カスタード風味が主流でした。その中で、ミルク感を押し出し、まるで牧場で食べるようなアイスを世に出したい、と考えたのです。
プロジェクトがスタートした時点で目指したのは「豊かなミルクの風味」、「しっかりとしたコクを、じっくり味わえるくちどけ」、「なめらかな舌ざわりと、後味のキレのよさ」という3つのポイントです。
食感を決めるのは組織構造
これまでにないなめらかさを実現
アイスクリームのおいしさには「フレーバー」だけではなく、「食感=テクスチャ―」も重要です。
テクスチャ―はアイスクリームの組織構造によって決まり、風味にも大きな影響を与えます。基礎研究を通じ、フリージング温度を工夫することで、アイスクリーム組織を緻密できめ細かくする製法に辿り着きました。微細な氷結晶の量をコントロールすることで、目標とする食感と風味を作り上げることができたのです。
組織の緻密さ、きめの細かさは、舌ざわりや匙(さじ)どおりを滑らかにする効果もあります。水っぽさを無くし、均一な舌どけやコクのある風味の実現にも寄与しています。また、氷結晶の形が角ばっていないことも、食感の滑らかさにつながっています。
アイスクリーム組織の例
基礎研究の科学的エビデンスを基に
進化を続ける「毎日食べたいアイスクリーム」
基礎研究を基に、という考え方は、発売以降もずっと受け継がれています。研究を続け、2008年から2010年にかけて「応答曲面法を用いた、フリージング条件がアイスクリームの主成分パラメータに与える影響のモデル化」や「フリージング条件がアイスクリームの融解性に与える影響」等を報告※1。
2014年から2015年にはTDS(Temporal Dominance of Sensations)という手法を用いて喫食中に変化する優勢な風味や食感を連続的に記録することで、口の中でとかしながら食べるアイスクリームの複雑な風味変化を経時的に捉えることに成功しました。この研究成果を《MOW(モウ)》の開発にも活用することで、2015年の大幅なリニューアルでは、ミルク感とバニラ感と卵感の理想的なバランスをさらに追究しました。乳化剤安定剤不使用、ミルクのコクや素材の味をダイレクトに味わえる製法など、《MOW(モウ)》の魅力はそのままに、全く新しい《MOW(モウ)》に生まれ変わりました。
また、《MOW(モウ)》はアイスクリームメーカーの中でもいち早く環境問題にも取り組んだ商品でもあります。《MOW(モウ)》のパッケージ資材は、より環境に配慮したFSC®認証紙※2を使用しています。おいしさ、自然環境への配慮、という両面から、これからもお客さまに愛される「毎日食べられるアイスクリーム」でありたいと思っています。
※1 フリージング工程によるアイスクリームの品質制御
※2 FSC® 認証/森を守る国際的な認証制度。環境保全の視点から適切で、社会的な利益にかない、経済的に持続可能な森林管理のもとで生産された森林資源や、再生資源、その他の管理された原材料を使用していることを、FSC(Forest Stewardship Council®: 森林管理協議会)の基準で、第三者の認証機関が審査・認証したものに発行される。
商品画像(2023年4月時点)