機能性素材研究

ラクトフェリン

母乳に多く含まれる成分を活用し、
幅広い年代の健康ニーズに役立てる。
森永乳業のラクトフェリン研究
ラクトフェリン

母乳に含まれる"乳の力"
ラクトフェリンに着目して

ラクトフェリンは1939年に牛乳から発見されたたんぱく質です。その後の研究で、牛乳だけではなく、多くの哺乳類の乳に含まれることが分かりました。なかでもヒトの乳、特に出産後の数日間に分泌される初乳に豊富に含まれることが明らかになっています。ラクトフェリンは鉄と結合する性質を示すことから、「ラクト(=乳由来の)フェリン(=鉄結合性タンパク質)」と名付けられました。ラクトフェリンの特徴的な赤色は結合した鉄に由来します。

ラクトフェリン

ラクトフェリンは生後間もない乳児が口にする初乳に多く含まれることから、乳児の健康に重要な働きをしている、と考えられています。
当社ではお母さんの母乳が最良かつ最適な栄養源であるという考えのもと、育児用ミルクにも母乳に近い機能を持たせたいという思いからラクトフェリンに着目し、1960年代初頭から約60年にわたり研究を続けています。
研究成果の一つとしてラクトフェリンは、培養液などを用いた研究で有害菌を抑制することがわかっています。また、ウイルスなどにも抑制効果があることが確認されています。

森永乳業独自のラクトフェリン製法と
さまざまな製品への配合

ラクトフェリンは乳だけでなく、涙や唾液などの分泌液にも含まれるため、乳児のみならず、幅広い年代の方々にも重要な成分です。ラクトフェリンは、牛乳にも含まれていますが、その量はヒトの乳と比べると10分の1ほどです。加えて、牛乳中のラクトフェリンは加熱殺菌により容易に変性するため、市販の牛乳や乳製品から生理活性のある形を保ったままのラクトフェリンを摂取することは困難です。
当社では乳原料からラクトフェリンを抽出し、変性しない条件で加熱殺菌を行うことで、さまざまな製品への配合を可能にしました。育児用ミルクの他、ヨーグルトや飲料、サプリメント、大人向け粉ミルクなど多岐にわたる製品形態でラクトフェリンをお届けしています。
1989年にはドイツにある子会社ーミライ社でラクトフェリンの大規模製造を開始し、その製造量は現在世界一※となっています。ミライ社のラクトフェリンは日本をはじめとした各国の規格に対応しており、海外では育児用ミルクを中心に利用されています。

※Absolute Reports社(2023年版)MILEI GmbH(ミライ社)のラクトフェリン製造量

Column

ミライ社

ミライ社は1972年に設立され、1975年からチーズホエイ由来の乳素材の製造を開始した当社の100%子会社であり、現在はラクトフェリン、乳糖、ホエイたんぱく質、全乳たんぱく質、ミセラカゼインなどのさまざまな乳原料素材を製造しています。ミライ社の製品は、育児用ミルク、流動食、スポーツ栄養食品などの用途で、欧州、アジアを中心として世界中で幅広く使用されています。

お客さまの健康と笑顔に貢献するラクトフェリン

ラクトフェリンが発見されてから、すでに80年以上が経ち、その間、ラクトフェリンは世界中で研究されています。ラクトフェリンに関する研究論文は10,000報を超えます※1。なかでも当社は民間企業としては世界で最もラクトフェリン論文の発表数が多いです※2。
森永乳業では外部の専門家や自治体と連携しながら、ヒトでの有益性に関するデータだけでなく、より安全・安心にラクトフェリンを摂取するための試験を継続的に実施しています。これらの研究を蓄積していくことで、自信をもって皆さまのお手元に届けられる商品を、これからも開発していきたいと思います。

※1 Pubmedにて検索時10,298報出現(検索ワード:Lactoferrin 期間:1960年〜2024年8月1日現在)
※2 SCOPUSにて検索(検索ワード:Lactoferrin 検索日:2024年8月1日)

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