商品開発
森永アロエヨーグルト
新素材の探索から始まった開発チームがアロエにたどり着くまでの軌跡
女性を中心とした開発チームによる新プロジェクト
《森永アロエヨーグルト》の誕生は1994年、一世を風靡したナタデココブームが下火になった頃のことです。それまで当社は大粒フルーツヨーグルトやナタデココヨーグルトなど、話題性のある食材とヨーグルトを組み合わせることでヒットにつなげてきましたが、さらに次世代の健康的なデザートとして「食感に特徴がある健康に良い食材」というテーマの元で、新商品を市場に提供するべく、女性を中心とした開発チームが立ち上がりました。
「食べたことがない」「食感がおもしろい」「話題性がある」この3点を条件に、新素材の探求が始まりました。その中で、当時は食品としてのイメージはまだ一般的ではなく、一部のフードショップでしか流通していなかったシロップ漬けのアロエに着目し、ヨーグルトの具材として使用することに挑戦しました。
しかし、当時の日本ではアロエはやけどや切り傷に塗るなどの民間療法か、シャンプーや石けんなど美容製品の素材として用いるのが主で、「アロエは苦いもの」という先入観もあり、食用としてのイメージは一般的ではありませんでした。しかし、アロエはビタミン、ミネラルなどの成分をバランスよく含む自然素材であることから、美容や健康を意識する若い女性に受け入れられるのではないかと考え、「食べる化粧品」というコンセプトのもと、開発が始まりました。
発売当時のアロエヨーグルト
アロエという新素材の魅力とヨーグルトのおいしさを
最大限に引き出すために
当時、日本でアロエと言えば家庭などでもよく栽培されていた「キダチアロエ」でしたが、ヨーグルトには「アロエベラ」という苦みの少ない品種を採用しています。アロエベラ自体には強い風味がないため、どのような風味をプラスしたら良いか、開発スタッフ全員でデパートの食品売り場をチェックし、参考となる食品をくまなく調べました。さまざまな種類のフルーツヨーグルトにアロエを混ぜて食べ比べながら、どの味とマッチするのかを徹底的に追及しました。リンゴやオレンジのような、特徴的なフレーバーを持つフルーツと組み合わせると、アロエという新素材を用いた製品の特性自体が薄れてしまいます。
アロエの収穫
そこで、「意外性がありつつも、ヘルシーで自然な香り」を目指し、試作を繰り返すことになりました。その結果、開発チーム全員がまさにこれだと納得した味が、南国風の爽やかなイメージを持つ果実の風味をプラスすることでした。この風味を加えることで、ヨーグルトとアロエとがベストマッチすることを発見しました。
森永乳業だから実現できる
なめらかでコクのあるヨーグルト
ヨーグルトの決め手は、乳原料と乳酸菌です。《森永アロエヨーグルト》では、性質の異なる数種類の乳酸菌を使用しています。それぞれの乳酸菌の特徴を最大限に引き出すために、温度制御など細やかな生産工程の管理にこだわっています。ヨーグルトは乳酸菌の活性、季節変化、製造ラインにより微細な差が生じる非常にデリケートなもので、この工程の管理はとても重要です。すべての原材料は、製造工場でトリプルチェック(三重の受け入れ検査)を行い、安全で高品質な原材料を使用するための体制を整えています。また、工程ごとに味、香りの検査を行うことでできあがりのおいしさを保つようにしています。
良質な乳原料と選び抜かれた乳酸菌を使用した、なめらかでコクのあるヨーグルトをアロエ葉肉が均一に混ざる適度な柔らかさに仕上げることで、他社商品にはない、爽やかなアロエ風味とヨーグルトとの絶妙なハーモニーを実現しています。
時代のニーズに合わせて
さらに進化する《森永アロエヨーグルト》
《森永アロエヨーグルト》はお客さまからの支持を背景に、大きく成長していきました。それに伴いシリーズ商品の開発も数多く行われました。1995年には「アロエ飲むヨーグルト」、2000年には乳脂肪分を通常の半分(1%)に抑えた「森永アロエヨーグルト低脂肪」を発売しました。2005年3月にはヨーグルトの新たな食シーンの開拓を目指して、パウチタイプのヨーグルト「森永アロエヨーグルトハンディスタイル」を発売しました。
それ以降も、低脂肪タイプをさらに進化させた「脂肪0(ゼロ)タイプ」や、アロエの食感をより楽しめる「こだわりタイプ」など、さまざまなニーズに対応した商品の開発に取り組んでいます。「カラダの内側から美しく健康に」。今も、そしてこれからも、《森永アロエヨーグルト》の変わらない価値を提供するため、私たちは今日も研究開発を続けています。
Column
《森永アロエヨーグルト》で使用しているアロエベラの原産地は、南国タイ。厳選された農家で栽培され、日光をさんさんと浴びて育った葉肉の厚いアロエベラを収穫しています。手塩にかけて育てられ、丁寧に収穫されたアロエベラは、新鮮なうちに専用工場で葉肉部分だけを取り出されます。その後、食べやすい大きさにカットされて日本へ送られます。収穫から加工にかけて厳しい選定を行い、《森永アロエヨーグルト》独自のアロエのみずみずしく、弾力のある食感をキープしています。
タイのアロエ工場