論文

栄養研究(ミルクアレルギー、母乳研究や育児用ミルクを含む)

  • 表題 A methodological basis for estimating human mercaptalbumin in serum and plasma using a thiol-binding resin.
    「チオール結合樹脂を用いた血清・血漿還元型アルブミン比率の簡易測定原理の確立」
    著者 F.Tabata, Y.Wada, S.Kawakami, A.Tamakoshi*, and K.Miyaji
    *Faculty of Medicine, Hokkaido University
    掲載誌 Journal of Nutritional Science and Vitaminology 69(5): 340-346 (2023)
    要約 血中のアルブミン酸化還元バランスは、酸化ストレスバイオマーカーとして注目されてきたが、最近の研究では、たんぱく質栄養バイオマーカーとしての可能性が見出されている。従来、測定には高速液体クロマトグラフィー(HPLC)などの高価な装置が必要だが、本研究では臨床現場でも簡易的に測定可能な評価方法を開発した。
  • 表題 化学療法中のがん患者を対象とした小容量・高たんぱく質・EPA含有栄養補助食品の官能評価
    著者 吉田和馬、高橋加奈、白井由美子*1、守田俊介、岩本洋、田中光司*2、宮地一裕
    *1伊賀市立上野総合市民病院 栄養管理課、*2伊賀市立上野総合市民病院 外科
    掲載誌 学会誌JSPEN 4(4-5): 195-200 (2022)
    要約 小容量で、高たんぱく質・エイコサペンタエン酸(EPA)含有栄養補助食品『小さなEプリン』の官能評価をがん患者で実施した。がん患者では非がん患者よりも「風味属性」「食感」「継続性」などへの評価が高く、『小さなEプリン』はがん患者の嗜好性に合った食品と考えられた。
  • 表題 Associations between maternal diet, human milk macronutrients, and breast-fed infant growth during the first month of life in the SMILE Iwamizawa in Japan
    「「授乳期の食事・母乳栄養成分・母乳栄養児の発育」の関連性」
    著者 Y.Komatsu, Y.Wada, F.Tabata, S.Kawakami, Y.Takeda, K.Nakamura*1, T.Ayabe*1, K.Nakamura*2,3, T.Kimura*3, and A.Tamakoshi*3
    *1Department of Cell Biological Science, Faculty of Advanced Life Science, Department of Cell Biological Science, Hokkaido University Graduate School of Life Science, *2Department of Public Health and Hygiene, Graduate School of Medicine, University of the Ryukyus, *3Department of Public Health, Hokkaido University Graduate School of Medicine
    掲載誌 Nutrients 15(3): 654 (2023)
    要約 本研究では、①授乳期の食事が母乳の栄養成分に影響するか、②母乳の栄養成分が生後1ヶ月間の母乳栄養児の発育にどの程度影響するか、を検証した。その結果、食事の一部は母乳のエネルギーおよび炭水化物に影響を与えるものの、これらの栄養成分は成長曲線の正常範囲内(10-90%ile)においてのみ児の発育と関連し、発育異常を予測する因子ではないことが示唆された。
  • 表題 Nutritional evaluation of milk-, plant-, and insect-based protein materials by protein digestibility using the INFOGEST digestion method
    「INFOGESTメソッドを用いた乳・植物・昆虫たんぱく質素材のたんぱく質消化性の多角的評価」
    著者 Y.Komatsu, M.Tsuda, Y.Wada, T.Shibasaki, H.Nakamura, and K.Miyaji
    掲載誌 Journal of Agricultural and Food Chemistry 71(5):2503-2513 (2023)
    要約 本研究では、ヒトの消化を模したin vitro試験法であるINFOGESTメソッドを用いて、乳たんぱく質素材およびその代替となる植物・昆虫たんぱく質素材のたんぱく質消化性を多角的に評価した。その結果、得られたたんぱく質消化率およびアミノ酸スコアは、既存のin vivo試験法であるDIAASメソッドと高い相関を示し、乳たんぱく質は植物・昆虫たんぱく質と比較して、高い栄養品質を有することが示唆された。
  • 表題 A lower ratio of reduced to total albumin in serum is associated with protein nutritional status of pregnant women in Japan
    「血清中の還元型アルブミン比率は妊婦のたんぱく質栄養状態と関連している」
    著者 F.Tabata, Y.Wada, T.Shibasaki, S.Kawakami, M.Inubashiri*1, M.Hosaka*1, K.Noshiro*2, T.Umazume*2, and K.Miyaji
    *1Fukuzumi Obstetrics and Gynecology Clinic, *2Department of Obstetrics and Gynecology, Hokkaido University Graduate School of Medicine
    掲載誌 Nutrition Research 114: 1-12 (2023)
    要約 血清中の還元型アルブミン比率と妊婦のたんぱく質摂取量および児の出生体重、妊娠週数との関連を観察研究により調査したところ、血清中の還元型アルブミン比率は妊娠中のたんぱく質栄養状態を反映し、より健康的な妊娠経過に寄与する可能性があることが明らかとなった。
  • 表題 Dynamic associations of milk components with the infant gut microbiome and fecal metabolites in a mother-infant model by microbiome, NMR metabolomic, and time-series clustering analyses
    「母乳中の生理活性成分と乳児の腸内細菌叢および糞便中メタボライトとの動的関連性」
    著者 Y.Komatsu, D.Kumakura*, N.Seto, H.Izumi, Y.Takeda, H.Onishi*, S.Nakaoka*, and T.Aizawa*
    *Graduate School of Life Science, Hokkaido University
    掲載誌 Frontiers in Nutrition 8:813690 (2022)
    要約 本研究では、授乳期間全体にわたって、母乳成分と乳児の腸内細菌叢および便中代謝産物の動的な関連性を検証した。その結果、母乳中のヒトミルクオリゴ糖が、乳児のビフィズス菌をはじめとする腸内細菌叢およびその代謝産物に影響を与え、消化管の発達や健康維持に寄与している可能性が示唆された。
  • 表題 Comparison of isolation methods using commercially available kits for obtaining extracellular vesicles from cow milk
    「牛乳由来細胞外小胞の精製方法の比較検討」
    著者 M.Morozumi, H.Izumi, T.Shimizu, and Y.Takeda
    掲載誌 Journal of Dairy Science 104(6): 6463-6471 (2021)
    要約 牛乳由来の細胞外膜小胞(EV)は抗炎症作用を有することが報告されており、その生理活性に注目が集まっている。一方で、牛乳由来EVの回収方法は未だ確立されていない。本研究では牛乳由来EVの回収方法を検討した。その結果、酸沈殿とサイズ排除クロマトグラフィーを組み合わせることで高純度のEVをより多く回収できることを見出した。
  • 表題 Serum albumin redox states: more than oxidative stress biomarker
    「血清アルブミンのレドックス: 酸化ストレスの先に見えるもの」
    著者 F.Tabata, Y.Wada, S.Kawakami, and K.Miyaji
    掲載誌 Antioxidants 10(4): 503 (2021)
    要約 血清アルブミン酸化還元バランスは全身の酸化ストレスマーカーとして長い間考えられてきたが、近年、酸化アルブミンが病態を悪化させる因子である可能性が報告されている。また、血清アルブミン酸化還元バランスはたんぱく質の栄養状態を示す新規バイオマーカーとなりうることが我々の研究によって明らかとなった。本総説では、血清アルブミン酸化還元バランスと健康との関わりと、その分析技術に関する最新の情報について概説した。
  • 表題 松本市の成人を対象とした血糖値および尿酸値をはじめとする血液検査値と生活習慣に関する横断研究
    著者 越智大介 野間口光治 田中美順 阿部文明 垣内いづみ*1 清沢京子*1 宮坂光長*1 中村雅彦*2 坂根直樹*3
    *1松本短大, *2松本市病院 脳神経外科,*3京都医療セ 臨床研究セ 予防医学研究室
    掲載誌 薬理と治療 48(6): 969-978 (2020)
    要約 松本市の成人を対象に、血糖値および尿酸値をはじめとする血液検査値と生活習慣について調査した結果、体重増加、飲酒、乳製品摂取、果物摂取などの生活習慣項目において、それぞれ血液検査値との関連が認められた。
TOP