1997年生まれ 千葉県出身 イオン所属
4歳で「幼稚園の友達がやっているのをみて、楽しそうだなと思って」新体操を始める。中学生の頃から頭角を現し、中学卒業と同時に特別強化選手としてロシアへ留学。「世界一エレガント」と称される演技を持ち味に2016年リオ五輪に出場し、2017年世界選手権では個人総合5位入賞。個人種目別フープでは1975年以来の日本人メダリストになる。趣味は映画・音楽鑑賞。リフレッシュ方法は三代目 J Soul Brothersの動画を見ること、友人とお出かけすること。
Special Interview [ 新体操 ] 皆川夏穂選手 森永乳業
ビフィズス菌トレで、
内側からもっと美しく。
世界で活躍する新体操の皆川夏穂選手。その演技は「世界一のエレガントさ」と称される美しさです。2016年リオ五輪に個人総合で出場、2017年世界選手権の個人種目別フープでは、個人として日本に42年ぶりのメダルをもたらしました。2020年には長年トレーニングをしていたロシアから日本に一時帰国。日本でトレーニングに励む中で、身体のコンディションを整えるビフィズス菌トレをスタート。そんな皆川選手に美しさや健康、そして心のあり方についてオンラインでお話を伺いました。
皆川夏穂選手 新体操
インタビュアー: 森永乳業・米澤寿美子 (営業本部マーケティング企画部)
360°どこから見ても、スキのない美しさをめざして。
皆川選手の演技は、本当にしなやかで美しいですよね。まず、その美しい演技の秘訣からお伺いしたいと思います。
もともとは、そんなに美しい演技をするタイプではなくて、どちらかというと元気ではつらつとした演技が得意だったんです。中学を卒業してからロシアで練習をするようになったのですが、コーチのナディア先生との出会いで私の演技のスタイルも大きく変わりましたね。先生の指導はすべて、美しさが大前提。「360°どこから見られても、キレイな状態をつくりなさい」と言われ続けてきたんです。ただ技をやればいいのではなく、いかに美しく見えるか。それを強く意識するようにと、今も教えていただいています。例えば、演技の時にボールは右手だけで投げますが、空いている左手にまでしっかり意識を向けて、一瞬の隙もなく美しくあるようにと。ナディア先生の指導のおかげで、自分でも美しく見せたい、もっと新体操の良さを見せたいという気持ちがどんどん強くなっていきました。
360°どこから見られても美しくという意識はとても難しそうです。でも、先日皆川選手の練習を拝見して、まるで美術館でいろいろな角度から彫刻を鑑賞しているような感覚を覚えました。もちろん競技ではあるのですが、新体操はアーティスティックな要素もとても大きいですよね。
審判が見て順位が決まる競技ですし、観客の皆さんにも新体操の美しさや良さが伝わるように、美しさはすごく大事にしています。新体操の個人種目はリボン、クラブ、フープ、ボールと4種目あって、それぞれ違った曲を使うので、その曲のストーリーや雰囲気を、自分の身体と使う手具で表現していきたいと思っています。
美しくあるために普段から気をつけていることはありますか。
座ったり立ったりするときの姿勢には気をつけるようにしています。ナディア先生にも「どこにいても、常に誰かに見られていると思って行動しなさい」と言われています。
試合中はもちろんですが、テレビ番組に出演されている時もとても姿勢がいいですよね。私生活でダラーッとすることはないんですか?
あ、私生活ではあります!自分の部屋では、めっちゃダラダラしています(笑)。自分では意識はしていないんですが、オンオフの切り替えがはっきりしていて、部屋に帰ると別人のようにスイッチがオフになっているとよく言われます。でも練習が上手くできなくて落ち込むこともあって、そういう時は好きな動画を見たり、音楽をガンガンかけて気分転換をするようにしていますね。
健やかな腸内環境で、
より美しく、より良いパフォーマンスを。
ロシアで長い間トレーニングをされていたと伺いましたが、どんな生活でしたか?
新型コロナウイルスの影響が広がる前、7年以上は年間10ヵ月位をロシアで過ごしていました。現地では寮に住んでいて、6時に起きて7時から練習をスタート。大体1日8時間は練習していました。
練習は毎日規則正しく長時間取り組まれるんですね。ロシアと日本とは食生活なども違うと思いますが、体調の変化などありましたか?
はい、ロシアとは食習慣が違うので体調管理が大変でした。私は太りやすい体質なので、なるべく脂質を控えて、良質なタンパク質と食物繊維の多い野菜を摂りたかったんですが、ロシアは脂っぽい食べ物が多くて。魚より肉が多く、日本での食事と同じような食べ方をするとすぐに体重が増えてしまう。それに新鮮な野菜が少なくて野菜を食べる量が減ってしまい、お通じが悪くなってしまって……。そこはパフォーマンスにも影響があるのかなと感じていた部分でもありました。
ロシアは肉の消費量が日本より多いですよね。お通じの話ですと、大腸にすんでいる数百種類といわれる腸内細菌を「腸内フローラ」といいますが、国ごとに腸内フローラの傾向が違うんです。生まれ育った土地や食生活によって影響されるので、ロシアの人はロシアの環境に適した腸内フローラになると言われます。だから日本育ちの皆川選手の身体がなかなか現地に順応できなくても、当然なんですね。
またアスリートは運動量が多く、たくさん汗をかきますので水分不足になりがちです。水分が足りないとお通じが固くなり押し出しづらくなります。お通じは「身体の通信簿」と言われることもあって、健康状態を知るためにもお通じの頻度や色・形を見ることは大切なんです。
腸内環境って大事なんですね。あとロシアでは海外遠征などで疲れが溜まったときや、試合前とかにじんま疹のようなアレルギー反応が出るようになって、夜もなかなか寝付けなかったり、途中で起きてしまったりと睡眠にまで影響が出てしまったんです。そうなると練習のパフォーマンスも思うように上がらなくて……何とかしなきゃと思っていても、どう改善したらいいのか解らなかったんです。
アレルギーも腸内環境と関係していると言われています。最近、「便秘は万病の元」だと解ってきました。便秘によって老廃物が腸の中に溜まってしまうと、それが血液中にも流れていろいろなところに影響し、アレルギーや身体の疾患を呼び起こすんです。
便秘によって吹き出物ができたり、肌の調子が悪くなるのは知っていましたけど、アレルギー反応も関係するんですね。もっと早く気付けたら良かった!今回ビフィズス菌を通じたサポートをしていただき、腸内環境が身体全体にさまざまな影響を与えているとお聞きして、しっかり改善したいという気持ちが強くなりました。
ビフィズス菌を摂っていただくようになってから半年が経過しましたが、その後調子はいかがですか?
毎日飲むようになってからお通じはいいです。スティックタイプを1日1本、お通じが良くない時は2本という飲み方をしています。最近は1本飲んで大丈夫なことが多いかな。私の身体にフィットしている気がします。
皆川選手に飲んでいただいているのは、多くの方のお腹に適する種類のビフィズス菌です。フィットしているようで、よかったです。ちょっと状態が悪いときにもう一本飲んでみるというのもいいですね。日本に帰ってきてからは、思うような食事ができていますか?
はい、カロリーを考えながら好きな和食も食べられています。かぼちゃの煮物とか、ひじきの煮物とか、大好きなんです。あんこといちごも、すごく好きです。自宅にいた時には自分で料理もしていました。今はナショナルトレーニングセンターで練習しているので、食事はカロリー計算されたメニューの中から自分で選んで食べています。
偶然にも食物繊維が多いものがお好きなんですね!あんこも豆なので、食物繊維が豊富で腸内環境にもいい食材です。日本でも海外でも、移動が多くて練習や試合の疲れもあると思いますが、体調を安定して保てるようにバランスのいい食事を心がけつつ、ビフィズス菌も役立てていただけたらと思います。
心と向き合い、鍛え直したことで、次の自分へ。
アスリートの皆さんは、身体を極限まで追い込んでいると思いますが、新体操の試合は想像を絶する緊張感だと思います。そんな張り詰めた中で皆川選手は世界の第一線で活躍し続けていますが、つらい時期はあったのでしょうか。
そうですね、正直に言うとつらい時期は何回かありました。ひとつは2016年のリオオリンピックが終わった後に両足の手術をして、自分の元の感覚に戻らない時期が半年ぐらい続いたときです。試合に出ても自分の力が思うように発揮できなくて、「このままじゃダメなんじゃないか?」とまわりから言われたりしたんです。それでもコーチのナディア先生が「あきらめずに絶対に最後までやり切ろう」と言ってくれて。先生のことを強く信じて、毎日徹底的に練習に取り組みました。その結果として、2017年の世界選手権でメダルを獲得できたんです。とにかく頑張って乗り越えた結果なので、これは本当に嬉しかったですね。
もうひとつはその大会の後の大幅なルール変更があったときです。点数の上限がなくなり、演技時間内に技を入れれば入れるほど点数が加算されるルールに改定されました。美しさに加えてさらに難易度の高い技をたくさん入れないと勝てないと理解はしていたのですが、翌年2018年の世界選手権に準備が間に合わなかったんです。メダルも取れなかったですし、種目別決勝にも進めなかった。このときは「私はまだまだダメなんだ……」と落ち込みましたね。それまでは精神的にも弱い部分に対して見ないふりをしていたというか、周りの人にはそういう自分を見せないようにがむしゃらに頑張ってきていたんです。でも、それって自分自身を客観的に見られていなかったということでもあるんですよね。そこが自分の中で課題として表面化してきて「何かを変えないと絶対にいけない」と、メンタル面のトレーニングを受け始めました。ナディア先生も結果を出せない私を見放すことなく丁寧に指導していただいて。少しずつではありましたが、心が上向いていくに連れて演技も上向いていきました。もう、失敗を恐れるとか、自分の弱さを隠そうとするんじゃなくて、どんどんどんどん挑戦していって、克服していこうという気持ちになったんです。
気持ちの部分がすごく変わって、乗り越えられたんですね。
はい、まだ課題はありますけど、メンタルトレーニングを始めてから試合の取り組み方も変わってきました。選手の中には観客がいることで盛り上がる人もいるんですが、私は人前で緊張しやすいタイプ。練習では120%できていたとしても、いざ試合になると急に不安になって「できなかったらどうしよう」とネガティブな気持ちになることもありました。でも、メンタルトレーニングを通して気づいたんです。「試合で緊張して自分の身体がいつも通りに動かないときは、試合の順位や点数を気にしてしまっているとき。でも順位や点数は自分ではどうにもできない」と。そこからは自分では変えられないことにはとらわれないように、心の持ち方が変わったと思います。試合では、出場できることの有り難さをしっかりと感じて、その場を思いっきり楽しむことを心がけるようになりました。
試合に向けて集中した気持ちに持っていく方法を見つけたんですね。演技中にミスがあったときにリカバリーする精神力はどう身につけるのですか?
練習でやっていることが試合の演技につながることが多いので、試合を想定した練習をしています。練習のときから失敗しても落ち込まないで、すぐ次にいくように。練習で失敗を引きずらずに次にいけたら、試合でも同じようにできることが多いです。
たくさんの人に、勇気や元気を。
そして新体操の美しさを伝えたい。
たくさんのことを乗り越えて進化している皆川選手は、これからどんな演技をしていきたいですか。
自分の演技を見て、たくさんの人に「新体操っていい競技だな」と好きになってもらえたら嬉しいです。今は世界中が大変な状況でもあるので、勇気や元気が与えられるような演技をしたい。それから、私がここにくるまで、本当にたくさんの方々にお世話になっているので、その方々に向けて自分の演技を通して感謝の気持ちを伝えたいと思っています。
素敵ですね。本当に新体操が大好きで、新体操の美しさを表現したいという情熱が伝わってきます。
そんなに自分では意識していないんですが、大好きなのかも(笑)。今、技の数や難易度が重視されるルールになってきていますが、私は技をたくさんやりながらも、美しさを見せられる演技をしていきたいと思います。スポーツは進化するものなので、難易度が上ったり、技が増えるのは当たり前ですが、やっぱり新体操の美しさは残していきたい。自分が伝えたいものが届くような演技ができたときに、きっと試合の結果もついてくるので、自分がやりたい演技を毎日の練習で磨いていきたいです。