お客さまのかがやく”笑顔”のために、森永乳業ではさまざまな健康課題に応えるビフィズス菌入り商品をお届けしています。そんなビフィズス菌の優れた力をより多くの方々に伝えるべく、このたびフィギュアスケーターの浅田真央さんがビフィズス菌アンバサダーに就任しました。ビフィズス菌とはどんな菌なのか、どんなふうに取り入れると良いのか、自らもビフィズス菌トレに励む浅田真央さんと、森永乳業で腸内フローラ研究を進める小田巻俊孝博士が語り合いました。
フィギュアスケーター。1990年9月25日生まれ。
愛知県名古屋市出身。
2002年全日本選手権で、小学6年生にして女子世界初の3回転3連続ジャンプを決めて世界中の注目を集める。世界選手権優勝3回、四大陸選手権優勝3回、GPファイナル優勝4回、全日本選手権優勝6回。2010年バンクーバー五輪で、銀メダルを獲得。2014年ソチ五輪では、フリーで世界中が感動する演技を披露。同年3月の世界選手権では、日本人最多の3度目の優勝を飾る。
2017年に現役引退を発表。2018年から日本全国をめぐり感謝を届けるアイスショー「浅田真央サンクスツアー」を開催。3年間で、のべ50会場・202回にわたる公演を行った。2022年9月から、自身がプロデュースし出演する新たなアイスショー「BEYOND」を全国で開催中。
1999年森永乳業入社。飲料や乳製品の製造現場やヨーグルトの製品開発を経験したのち、ビフィズス菌をはじめとする腸内細菌の基礎・応用研究に約20年間従事。さまざまな外部研究機関との共同研究を推進し、理化学研究所やアイルランドのCork大学に自ら研究員として参画するほか、大学で非常勤講師等も務める。腸内細菌学会を筆頭に、複数の学会による受賞歴あり。
腸内環境には、すごく興味があります。 今日はそんな腸やビフィズス菌のお話が伺えるということで、とても楽しみにしていました。
ありがとうございます。浅田さんはフィギュアスケーターとして、日頃からコンディショニング調整にいろいろと取り組まれていますよね。
はい。選手時代は10~20代と若かったので、何か無理をしたとしてもすぐ響くようなことはあまりなかったのですが、年齢を重ねるごとに疲れが残りやすくなるなど影響を感じるようになって、今はいろいろなことに気を付けています。特にアイスショーは公演回数が多いので、食事面など選手時代以上に気を遣うようになりました。
普段はどんな食生活を送られていますか。
いろいろな食材をバランスよく食べることを心がけています。基本的に自炊で、野菜やお魚などをよく蒸して食べていますね。それが一番手軽でヘルシーかなと。あと、いろいろな発酵食品を摂るようにしています。私の冷蔵庫の中にはヨーグルトはもちろん、キムチ、納豆、チーズ、それから甘酒、塩こうじなどが常に入っているんです。
それはいいですね。「腸活」という言葉も一般的になりましたが、これほど注目されるようになったのは、今世紀に入って遺伝子の解析技術が飛躍的に進化したため、腸内細菌がより正確に分析できるようになったからなんです。それで腸の病気のほか、肝臓や腎臓、心臓といったほかの臓器の病気や、肥満、花粉症といった症状と腸内環境の関連性が明らかになってきました。
浅田さんは、おなかに関するお悩みは何かありますか。
普段はまったく悩みはなくて、むしろ腸の状態はいいほうなんじゃないかなと思っているのですが、本番前に緊張すると、胃が痛んだりおなかが緩くなったりということがあります。
脳と腸は密接に繋がっており、これを「脳腸相関」といいます。双方向に作用し合うので、緊張するとおなかが緩くなるように、腸内の状態が悪いためにストレスを感じやすくなるということも起こると考えられているんですよ。
好循環の時はいいけれど、どちらかが悪い状態だと悪循環を引き起こしてしまいますね。だとすると、私が本番前に感じる強い緊張は、すごく体に負担をかけてしまっているかも・・・。あと現役時代は、海外に行った時におなかの不調を感じることもありました。
環境変化が腸にもたらす影響は、とても大きいと言われています。年間を通して腸内細菌を調べた研究論文によると、病気でおなかを壊した時と海外旅行に行った時に最も大きく変化したという結果が出ています。海外に行くと、時差で生活リズムが乱れるほか、腸内細菌のエサとなる食べ物も変わってしまいますから。
なるほど。そうなんですね。
浅田さんは、バランスの良い食事を心がけていると話されました。それって、腸にとっても重要なことなんです。いろいろな食材を食べるということは、いろいろな菌のエサを与えるということ。つまり、腸内に多種多様な菌が育ちます。同じタイプのスター選手がたくさんいても強いチームにはならないように、腸内細菌もいろいろなタイプの選手、つまりいろいろな菌がいることで対応力が増し、強いチームとなります。
単に良い菌だけを取り入れればいいというのではなく、いろいろな食べ物を食べて、おなかの中でいろいろな良い菌を育てることが大事なんですね。
そうなんです。我々としては「とにかくヨーグルトがいいですよ!」と言いたいところですが、ヨーグルトもあくまでもバランスの良い食事の一部。正しくは「ヨーグルト“も”ぜひ召し上がってくださいね」ということなんです。
ところで、浅田さんはビフィズス菌と乳酸菌の違いはご存じですか。
違うんですか?おなかにいい、同じ仲間の菌かなと思っていました。
どちらも良い菌ですが、実はまったく別の種類なんです。乳酸菌はその名の通り、主に乳酸を作る菌です。一方のビフィズス菌は乳酸だけでなく、短鎖脂肪酸である酢酸も作ってくれます。この短鎖脂肪酸には悪い菌の増殖を抑える作用や腸のバリア機能を高める働きがあり、体にとても良いと考えられています。もちろん、乳酸菌も体に良い菌ですが、整腸作用という点では乳酸菌だけで作られたヨーグルトよりもビフィズス菌の入ったヨーグルトのほうが、お通じが改善されたという研究結果も出ています。
乳酸菌とビフィズス菌は、まったくの別物だったんですね。そうすると、ビフィズス菌が入っているものを選んだほうが良いということでしょうか。
整腸作用に期待するのであれば、ビフィズス菌をお勧めします。それと、もう一つ。乳酸菌はいろいろなところに存在していますが、ビフィズス菌は本来、ヒトや動物の腸内にしか存在していません。酸素に触れると死んでしまうんです。
でもヨーグルトの中に入っているのは、生きたビフィズス菌ですよね。どんなふうにして入れてあるんですか。
我々の先輩たちが、ヨーグルトの中に入れても長生きする強いビフィズス菌を発見し、それを製品へ活用しています。色々なビフィズス菌がいますが、腸内環境の改善を目指した弊社の「ビヒダス」に使われているのは、「BB536」というビフィズス菌です。ビフィズス菌は酸素に加えて酸にも弱いので、フルーツと一緒に入れるのは更に難しいのですが、研究を進める過程でビフィズス菌を守る乳酸菌を発見することができたため、今はフルーツとビフィズス菌両方の入った商品もあります。
へぇ、すごい!
ヨーグルトというのは、どのメーカーのものでも2種類の乳酸菌(ブルガリア菌とサーモフィラス菌)で作られています。「ビヒダス」シリーズの中でもフルーツタイプの商品には、それらに加えビフィズス菌とビフィズス菌を守る乳酸菌も入っているので、4種類の菌が摂取できるんです。
一度に4種類、いいですね。それにしても、ヨーグルトに入れても長生きするビフィズス菌やビフィズス菌を守る乳酸菌など、すごい技術なんでしょうね。ビフィズス菌は整腸作用に優れているというお話でしたが、ほかにどんな体に良い作用があるんですか。
本当に色々な作用が期待できるのではと現在も研究を続けていますが、例えばビフィズス菌BB536では、“便秘気味の方の便通を改善”する機能や、“花粉・ホコリ・ハウスダストなどによる鼻の不快感を軽減”する機能が報告されています。また、“加齢に伴い低下する認知機能の一部である記憶力を維持する”ビフィズス菌MCC1274という新しいビフィズス菌も発見し、ヨーグルトやサプリメントに活用しています。
私は毎日ビフィズス菌入りのヨーグルトを食べていますが、効果的な食べ方というのはありますか。
ビフィズス菌は酸に弱いため、おなかが減っている状態で食べると胃酸の影響を受けやすくなりますので、食後に召し上がっていただいたほうが、効果が期待できるといわれています。
食後ですね。一緒に組み合わせて食べたほうが良いものはありますか。
バナナやキウイなど食物繊維が豊富なフルーツは、ビフィズス菌のエサになってくれるので、とてもいいと思います。
バナナとキウイ!!私、毎日食べています。特に本番前は必ずバナナを食べるんです。きな粉をつけたりして。
きな粉も!?いいじゃないですか。実は、外国の方と比較して日本人の腸内にはビフィズス菌が多いんです。和食とは何かと問われると定義が難しいのですが、代表的な食材である大豆がビフィズス菌の多さと関係しているかもしれません。
醤油とか味噌とか…。確かにみんな毎日のように摂っていますし、しかも、乳酸菌やこうじ菌などいろいろな菌も同時に取り入れていますよね。
はい。なので、浅田さんは本当に日本人の腸内環境に合ったお食事をされていると思います。
わぁ、私すごくいいことばかりしていました!(笑)ちなみに、ビフィズス菌のヨーグルトをフルーツと一緒にミキサーにかけてスムージーにしても大丈夫ですか。熱などで菌が壊れてしまうことはないのでしょうか。
ビヒダスヨーグルトの中に入っているビフィズス菌は強い菌ですので、ミキサーで混ぜるなどしても大丈夫です。ただ、50℃以上の環境に長い時間いると死んでしまいますので、加熱する際には人肌程度までにすることをオススメします。やはり浅田さんのようなアスリートの方は、日頃からお食事に気を遣われていることもあって、腸内にいろいろな菌を持っている方が多いんですが、近年の研究では、運動のパフォーマンスに腸内環境が影響を及ぼすのではないかという研究成果も報告されています。たとえばマラソン選手などは、激しい運動で体内にたまった乳酸をエネルギーにしやすい物質に変換してくれる腸内細菌が多いため、持久力に優れているのではないかという研究成果も出ているんですよ。
いろいろ明らかになっていて、面白いですね。
ビフィズス菌を摂取すれば、すぐに運動能力が上がるというわけではありませんが、好不調からくるパフォーマンスの波を少しでも長い間、高く維持することには役立ってくれるのではないかと考えています。腸内環境を整えるということは、強い体の幹を作ることとイメージが似ている気がします。そんな強くしなやかな体づくりのために、ビフィズス菌を日々の食事に取り入れていただければと思います。
フィギュアスケートも、上体を大きくしならせるためには体の中心の軸がしっかりしていることがとても大事なんです。体の健康でいえば、その中心はおなかですよね。芯がしっかりしつつ柔軟性があるというのは、本当に理想的な状態だと思います。
世の中には「体にいいよ」というものがたくさんありますが、私たちはきちんとした研究成果を踏まえた上で、自信を持ってお勧めできる商品をお届けしたいといつも考えています。ビフィズス菌についても正しい理解が広まることを願っています。
今日ははじめて知ったことも多く、とても学びがありました。ビフィズス菌アンバサダーとして、多くの方にバランスの良い食事とビフィズス菌で腸内環境を整えていただき、心も体も元気で、明るくしなやかな毎日を過ごしてほしいなと思っています。
私たちも引き続き研究や商品開発を通じて、浅田さんのようなチャレンジし続けるみなさんを応援していきます。本日はありがとうございました。