森永乳業グループの中長期的な企業価値向上に向けて、サステナビリティ経営の課題解決を積極的に推し進めることができるよう、2024年度より役員報酬の評価基準に客観的なプレ財務(非財務)指標であるESG外部指標を加えました。
E(環境)・S(社会)・G(ガバナンス)を網羅的かつ客観的に評価するために、グローバルに展開する主要なESG評価機関である「FTSE」「MSCI」を評価指標としています。(ESG指標に関する報酬は、支給係数の決定時に本指標を活用します)
評価機関 | 指標 | 基準値 | 前年度の評価 |
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FTSE | ESGスコア | 4.0 | 3.5 |
MSCI | ESGレーティング | AA | A |
その他詳細情報につきましては、IR情報およびコーポレート・ガバナンス報告書、コーポレート・ガバナンス・ガイドライン、統合報告書にて開示しています。
森永乳業グループでは、社長を委員長とする「内部統制委員会」を組織し、下部組織として「コンプライアンス部会」「リスク管理部会」「財務報告部会」および「情報セキュリティ部会」の4部会を設置し、グループ全体の内部統制をはかるとともに、監査を支える体制の整備にも努めています。
コンプライアンスの推進は、主にコンプライアンス部会を中心に実施され、コンプライアンス活動方針の決定、活動の指示、確認が行われます。また、コンプライアンス行動基準の遵守状況は、年1回実施するアンケート調査「コンプライアンス意識調査」等により確認しています。この結果も参考にしながら、コンプライアンス推進の各取り組みを適宜見直しています。
コンプライアンス意識の浸透・定着のために、森永乳業グループでは、階層別研修、グループ会社を含む組織別研修、e-ラーニングを実施しています。
コンプライアンス理解の他、経営理念、意識と行動、マナー・モラル、人権ポリシー、内部通報制度、ハラスメント、道路交通法、情報管理、労働時間、反社勢力対応、メンタルヘルス、景品表示法、下請法など、幅広い項目を取り扱っています。
対象:当社グループで働く就業者(社員、派遣社員、パートおよび協力会社社員など職場を同じにする人々)等
森永乳業グループ従業員 | 短編のe-ラーニング「コンプライアンス教室」 |
主事昇格者 | 「企業倫理・コンプライアンス基本コース」 |
管理職昇格者 | 「労務管理基本シリーズ」 |
グループ会社の取締役・管理職 | 「企業倫理・コンプライアンス基本コース」「セクシュアル・ハラスメント防止コース」「パワー・ハラスメント防止コース」「マネジャーのための職場のメンタルヘルスケア基本コース」 |
5月 | 8月 | 11月 | 2月 | |
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受講者数(名) | 7,559 | 7,561 | 7,496 | 7,458 |
修了率(%) | 98.6% | 99.2% | 98.8% | 98.9% |
森永乳業グループでは、社員がコンプライアンスに関する相談をする際の窓口として「森乳ヘルプライン」を設けています。森乳ヘルプラインは、社内相談窓口に加えて、弁護士を情報受領者とする社外相談窓口も設置しています。相談者の氏名、所属、相談内容などは法律や守秘義務などを明文化した社内規定で守られているため、役員および社員、退職者、その家族等はだれでも安心して相談をすることができます。相談・通報された事例については、森乳ヘルプライン事務局により、相談者や関係者の人権・プライバシーに十分な配慮の上、必要な調査を行います。不適切な状況については、対象部門や対象者に通知と改善要請等を行います。その後、対象部門および相談者等にその改善の確認を行うとともにコンプライアンス部会、内部統制委員会等に報告され、コンプライアンス施策の改善に活用していきます。通報者自身の業務に関する相談や質問については、必要により弁護士の見解も含め、対処方法などをアドバイスします。
海外の連結拠点の従業員向けには、英語、ドイツ語で対応可能な通報用ウェブサイトの整備を行い、2019年より運用を行っています。累計報告件数は現在0件です。
また、コンプライアンス部会へは、四半期毎にヘルプラインの状況を報告し、必要な社内体制の整備を行っています。
2019 | 2020 | 2021 | 2022 | 2023 | |
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相談件数全体(件) | 41 | 47 | 52 | 58 | 55 |
森永乳業グループでは、社長を委員長とした内部統制委員会を組織し、下部組織として「財務報告部会」を設置しています。財務報告部会では、当社グループの財務報告の信頼性を確保するために、財務報告部会を設置して、財務計算に関する書類、その他情報を収集し、適正な管理を行っております。
社長を委員長とする内部統制委員会の下部組織として「リスク管理部会」を設置しています。リスク管理部会では、全社で管理すべきリスク項目を評価し、その対応策等を検討し、その進捗を確認したうえで、新たな課題を抽出するというマネジメントサイクルを実践しております。
全事業所や全関係会社にリスク管理推進委員を配置し、内部統制委員会やリスク管理部会への報告体制や組織どうしの協力体制の整備を進め、各々の組織で決定した個別リスク項目について管理するマネジメントも実践しております。
また不測の事態が発生した場合は、危機管理に関する諸規程に従って迅速な対応を行い、対策本部を早期に立ち上げるなどして、損害の拡大を防止し被害を最小限にとどめる体制を整備しております。
森永乳業グループは、社会公共性の高い食品事業者です。災害などの緊急時にも社会が求める商品を速やかに判断し、安定供給を復旧・維持することを目的として、BCP(事業継続計画)を策定しています。
災害・混乱発生時等の緊急事態に対処するための基本的な指針である事業継続計画書をもとに、その事態にどのように対応するかについての役割・手順等をマニュアルに落とし込み、実効性を確保しております。
人命の保護 | : | 森永乳業グループ従業員およびその家族、ならびにお得意先、近隣社会、関係先、お客さまの人命保護を最優先します。 |
社会への貢献 | : | 食料支援・供給に努めることにより、被災地を含めた社会に貢献します。 |
事業の継続 | : | 従業員の安全に最大限配慮したうえで必要な体制を構築し、お客さま、お得意先および被災地のニーズに応えた当社グループ商品の安定供給に努めます。 |
災害・混乱発生直後は本社にて対策本部を組織し、初動対応に関する方針・手順を定め関係者への共有を図ります。また本社のみならず災害現場にある事業所の従業員がBCP及び諸マニュアルに基づき、柔軟かつ適切に当事者意識を持って災害対応をしていくように取り組んでいます。
また、日ごろの備えとして、地震・火災・台風・洪水などに関して消防計画を作成し、定期的な防災訓練でその徹底をはかっています。防災訓練は、年1回実施しており、避難誘導、消火器操作、負傷者搬送などを行う他、事業所によりAEDの操作訓練も実施し、近隣の消防署の指導を受けて練度を高めています。
生産系事業所(工場)は、消防計画とは別に、「緊急対策業務マニュアル」により、迅速な情報収集や復旧対応を行うことを定めています。年1回の防災訓練の他、防災組織の役割の遂行、消火設備の実地訓練を通して対応力の維持向上をはかるとともに、近隣の消防署と連携、自衛消防隊を編成して地域の大会に参加し操法を高めています。また、建物については耐震化対策を推進しています。
その他、セコム株式会社と契約し、従業員の安否確認訓練を実施しています。
森永乳業は関係省庁や業界団体と連携し、緊急災害時に被災地等へ応急食料として育児用ミルクやロングライフ商品などを供給しています。東日本大震災の発生時には、育児用ミルク8,000缶を日本乳業協会を通じて支援しました。今後もステークホルダーと連携をとりながら災害支援を行っていきます。
森永乳業は気候変動を中長期的に事業を継続する上での重大なリスクとして捉え、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)に沿った気候リスク・機会のシナリオ分析を実施しました。この分析結果に基づき、気候変動の緩和と適応に向けた対策を検討・実行していきます。
森永乳業グループは、保有するすべての情報資産に対して、機密性、完全性、可用性を維持・管理し、積極的な活用を行うことで業績の向上を目指すことを基本的な考え方としており、全役員、従業員などに周知しています。
また、外部環境の変化への対応および情報セキュリティ管理をより確実にするため、関係する規程類を取り決め、適宜、見直しています。
森永乳業グループでは、社長を委員長とした内部統制委員会を組織し、下部組織として「情報セキュリティ部会」を設置しています。当社グループの情報セキュリティに関する課題を明らかにし、その対応策の立案と実行および監査を主導することを目的に、月1回開催されています。情報セキュリティ部会では、確実な情報セキュリティ対策を行うための対策案を立案し、実行とその効果の確認をしています。
社内の各部門およびグループ会社においては、各組織長が情報セキュリティについて責任を負っています。また、2019年には技術情報分科会を設置し、当社グループにとって重要な情報である秘密情報につき、管理体制の強化を進めています。(※情報セキュリティ部会の下部組織として設置されていたお客さま個人情報分科会は、現在の管理体制を踏まえ、2023年7月をもってその役割を情報セキュリティ部会に移管しました)
さらに、インシデント発生時に、事態の把握と社内外への対応をより迅速、的確に行うための体制として、2024年7月にセキュリティ部会の下部組織として「CSIRT(Computer Security Incident Response Team)」を設置しました。
2018年4月に森永乳業グループの通販サイトのサーバーに外部から不正アクセスが行われ、カード情報およびカード情報以外の個人情報の流出が確認されました。本件は第三者機関に調査を依頼し、対策を講じています。多くのお客さまに多大なるご迷惑をおかけする事態になりましたことを、深くお詫びいたします。
健康食品通販サイトにおけるお客さま情報の流出に関するお詫びと調査結果のお知らせ
情報流出などのインシデントが確認された場合、緊急問題処理基準に則り、迅速な対応をとってまいります。
インシデント発生時は、社長を本部長とする対策本部の設置や、全役員と関係部署への速やかな情報の周知を行うとともに、緊急問題の解決にあたります。また、調査の結果、委託先や従業員等の法令違反が確認された場合には、制裁解雇や刑事告発、民事責任の追及等の対応を行います。
森永乳業では重大インシデントの発生を受け、不正アクセス対策を優先的に進めています。
技術的・物理的対策だけではなく、セキュリティ基準(ルール)の見直しや脆弱性対応のさらなる強化など、体制面でも継続的に対策を行っています。なお、年々高度化するサイバー攻撃への対策として、全従業員を対象とした標的型攻撃メール訓練、情報機器へのウイルス対策の徹底などを実施しています。
標的型攻撃メール訓練、e-ラーニングやコンプライアンス研修の場を活用した情報セキュリティに関する学習により、森永乳業グループ全従業員の情報セキュリティに対する意識の強化を図っています。グループ全体で約5,500名がe-ラーニングの受講を完了しています。