2016年09月20日 研究開発

高脂肪食摂食条件下における、運動前のカゼインペプチド摂取が
ミトコンドリア酵素活性に与える影響
~第29回 日本体力医学会 学会賞受賞のお知らせ~


 森永乳業では、牛乳中のタンパク質を独自の技術で分解したカゼインペプチドの生理作用について、東京大学と共同研究を実施し、その結果を報告した研究論文が、第29回 日本体力医学会の学会賞を受賞いたします。
 本学会賞は、2015年に日本体力医学会の英文誌(JPFSM)に掲載された論文の中から選出され、日本体力医学会大会会期中の9月25日に、表彰式および受賞講演が行われます。

1.受賞内容
 ミトコンドリアは、我々が食事によって摂取した糖や脂質をエネルギーに変換する、体内のエネルギー工場のような役割を果たしています。このミトコンドリアは、身体の健康や持久的運動能力の向上と深く関わっており、運動を行うことで増加することが、過去の研究において明らかになっています。これらのことから、運動を行い、ミトコンドリアの量や質を高めることは重要といえますが、その一方で、低体力な肥満者や高齢者では、これらの適応を得るのに十分な運動を行うことが困難な場合もあります。そのため、より効率良くミトコンドリアの量や質を高める方法の開発が求められています。
 当社はこれまでに、乳タンパク質を分解することによって派生する、様々な機能性を持つペプチドの研究開発を行ってきました。これらの中で本研究では、運動時のカゼインペプチドの摂取がミトコンドリアへ与える影響について検討を行いました。その結果、高脂肪食を給餌したマウスに対して、6週間、低強度の持久的トレーニングを行わせただけではミトコンドリアの適応に影響が見られなかったものの、カゼインペプチドの摂取と低強度の持久的トレーニングを組み合わせることで、ヒラメ筋(ふくらはぎの筋肉)および心臓のミトコンドリア酵素活性が向上することが明らかとなりました。


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