学術・研究への取り組み

夢のある新たな商品づくりのため、将来に向けた技術革新のために、「おいしさ」「栄養」「健康」「安全・安心」の4つの視点から「乳の優れた力を探り、最大限に活用すること」を研究開発の基本としています。

研究開発

森永乳業の研究開発

食品総合研究所

“おいしい”を極めるために、各事業部と連携して商品開発を進めています。「森永のおいしい牛乳 」「マウントレーニア」「アロエヨーグルト」「パルム」などの数々のヒット商品の開発を支えています。

素材応用研究所

人々の生活を支えるとともに、健康維持増進への貢献が期待される素材(乳素材、機能性素材)の技術開発、応用開発を行っています。

健康栄養科学研究所

栄養面や食べやすさで配慮が必要な方のための、基礎研究および製品開発を行っています。
例えば育児用粉乳、病態別医療食、要介護者向け食品等を研究開発しています。

 

基礎研究所

食品のみならず、医療や社会とも関わる新素材の探求や、新たな機能性の発見を通じて、未来に向けた事業基盤の確立をめざしています。

分析センター

商品の安全性と品質の維持向上のために、さまざまな検査・分析を担当。栄養成分組成の分析、細菌検査や有害物質などの分析の他、各工場の検査技術講習会なども行っています。

応用技術センター

森永乳業商品をお客さまの視点で応用した新しいメニューを開発。さらなる商品開発に活かすとともに、開発されたメニューをホームページや料理教室で提案する活動も行っています。

装置開発センター

安全に効率よく生産できる装置・システムの研究開発を行っています。食品工学の基礎研究、生産プロセス技術、新商品の生産技術など、研究領域は多岐にわたります。

研究企画部

それぞれの研究所から生まれる成果をさらに高めるため、開発計画段階からの連携を進め、成果の情報発信を行うなど、効率的なプロセスを構築していきます。また、知的財産の取得、臨床試験計画の立案、学術情報の収集など研究環境整備に関する各種サポートを行っています。

独自の技術でよりおいしく長持ちする商品を

食品総合研究所 第1開発部 マネージャー 農学博士 秋山 正行

食品総合研究所 第1開発部 副部長 農学博士 秋山 正行

森永乳業では長年、商品の品質やおいしさの向上に取り組むとともに、賞味期限を長くする技術の開発にも力を入れてきました。
長期保存できる(ロングライフ)商品は、以前はレトルト殺菌製法による缶などの商品しかありませんでしたが、レトルト殺菌製法は中身を容器に詰めてから高温で長時間殺菌するので、どうしても風味や外観などの品質レベルが低くなってしまいます。そこで、長持ちするだけでなく、品質が高くてよりおいしい商品を提供するために、殺菌方法や充填方法、容器の材質などさまざまな技術を研究開発。中身の品質ができるだけ変化しない程度に殺菌し、無菌環境下で殺菌済容器に充填する無菌充填製法によるロングライフのハンディパック乳飲料、ピクニックを1981年に発売。1993年には、カップタイプ飲料のマウントレーニアを発売しました。
マウントレーニアは、風味品質の低下を防ぐため、チルド物流・保存しています。カップタイプのロングライフ商品は、森永乳業が日本ではじめて商品化したもので、無菌充填製法の技術とチルド物流を持っていたからこそできた商品といえます。その他の無菌充填商品としては、豆腐やデザート類、流動食などがあります。
現在は、常温保存できる乳飲料はピクニックだけですが、常温保存できれば、チルド物流の発達していない国や地域でも持ち運べるし、保存食としての価値も出てくるので、現在はチルドで扱っている商品についても、無菌充填製法の技術レベルや中身の品質変化を抑える技術をさらに高めることによって常温化を進めていきたい。特に、牛乳は栄養価も高いので、チルド牛乳と同じくらいおいしい、森永乳業独自の常温ロングライフ牛乳を開発するのが今後の目標です。チルドの品質をロングライフ商品でつくることができれば、いままで新鮮な牛乳を届けられなかったより多くの国や地域に、本当においしくて安全な牛乳をお届けできるようになると思うので、がんばって取り組んでいきたいですね。

廃棄していたホエイからラクトフェリンを製造

素材応用研究所 デイリーマテリアル開発部 マネージャー 農学博士 牛田 吉彦

素材応用研究所 デイリーマテリアル開発部 副部長
農学博士 牛田 吉彦

ホエイ(乳清)はチーズ製造時の副産物で、赤ちゃん用のミルクの製造に欠かせないホエイたんぱく質や乳糖、ミネラルなどの有用成分を多く含んでいます。
世界的にチーズの製造が急増した1960年代、ホエイは河川などに廃棄され、特にライン川の環境汚染がヨーロッパで問題になっていました。そこで、ホエイを有効活用するため、当社は1971年に南ドイツに合弁でミライ社を設立し、75年からホエイパウダー、乳糖、ホエイたんぱく質の製造を順次開始しました。現在、ミライ社ではホエイや乳からさまざまな素材を製造し、これらは育児用ミルクや各種食品の原料としてヨーロッパやアジアなどの多くの国々で利用されています。
また、当社では育児用ミルクを母乳に近づける研究の中で、出産後早期の母乳に特に多く含まれるラクトフェリンの重要性に着目。50年前からラクトフェリンの研究を開始し、乳幼児をはじめ人々の健康に有用な生理作用を持つ多機能たんぱく質であることを見い出しました。このラクトフェリンをいろいろな食品に応用するため、研究所では関係部署と協力して、ホエイに微量にしか含まれないラクトフェリンの大量分離・精製技術を開発し、1990年にミライ社での工業生産を開始しました。現在、同社のラクトフェリンの製造量は世界でもトップクラスとなっています。なお、2003年には、「ラクトフェリンの工業的な製造法の開発」で、当時の研究所長が文部科学大臣賞を受賞しています。
ホエイや乳を原料とする素材は世界的に不足しており、ミライ社では旺盛な需要に対応するため2014年3月に新工場の建設に着工しました。当研ではミライ社や関係部と連携して2016年の稼働に向けた取り組みを進めています。ホエイや乳には乳たんぱく質や乳糖、ラクトフェリン以外にも多くの有用成分が含まれています。これらの分離・精製技術を確立することで世界の人々の健康や豊かな食生活に貢献したいと考えています。

体を守ってくれるラクトフェリン〜ラクトフェリン研究〜

ラクトフェリン(以下LF)は、人などの哺乳類の乳汁や唾液などに含まれる乳由来のたんぱく質で、抗微生物活性や免疫調節作用など、さまざまな生理機能を示すことが知られています。中でも母乳、特に初乳に多く含まれており、抵抗力の弱い赤ちゃんを病原菌やウイルスなどの感染から守る重要な成分として考えられています。
森永乳業のLFの研究は母乳の研究に始まり、現在では成人や高齢者にもその対象が広がろうとしています。
当社では、ラクトフェリンの感染防御作用、特にノロウイルス感染性胃腸炎に対する作用について現在研究を進めています。1本あたり100mg(100mg/本)のラクトフェリン含有食品を継続的に購入している人を対象に、秋冬のノロウイルス感染性胃腸炎の罹患状況に関するアンケート調査を実施しました。その結果、100mg/本のラクトフェリン含有食品を、ほぼ毎日または週に4〜5回摂取している人は、週1回程度摂取している人と比べ、医師の問診でノロウイルスの疑い、または検査でノロウイルス確定と診断された人の割合が有意に低いことがわかりました。
森永乳業は、LFの研究を通じて「からだを守ってくれる」というメッセージを発信してきました。赤ちゃんのミルクの研究からスタートした森永乳業だからこそ、そのメッセージを大切にし、今後も社会へ貢献できる優れた食品を開発していきます。

ラクトフェリンの粉末

ラクトフェリンの構造図(E.N.Baker教授、R.Kidd博士提供)

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